近年女性の社会進出はめざましく、結婚しても会社で働いている女性はたくさんいることでしょう。
女は家を守るものという考え方は、現代ではもはや古いといわれています。しかし、そんな中あえて専業主婦の道を選ぶという方もいらっしゃるでしょう。
そこで専業主婦のメリット・デメリットや共働きのメリットデメリットを紹介しながら、共働きと専業主婦はどちらが勝ち組なのかについて説明していきます。
専業主婦は共働きと比べて勝ち組なのか
最近はテレビ番組なんかを見ても、共働きの女性と専業主婦の女性が比較されるような内容を良く見かけます。
どちらが優位とかではない
結論から言えば、どちらが優位ということはなく、それぞれの女性が人生をどう生きたいか、生きがいを感じるかということです。
例えば、働く女性では少しでも家計を楽にするために働く人もいれば、収入のためというより仕事を生きがいにしている人もいます。
また、専業主婦も毎日家族が健やかに過ごせる場所を維持するために生きがいを感じているのであれば、それはそれで何も問題はないですし、無理に周りの女性が働いてい要るからと言って自身を変える必要はないのです。
安易に羨ましいと言わない
すべては自分の気持ち次第ともいえます。とはいえ、共働きが増加している現代では、専業主婦と言うとよく周りから「羨ましい」などと言われます。
そう言われれば言われるほど、専業主婦は肩身の狭い思いをしている方もいます。中には介護など特別な事情で働きたくても働けない方もいるのです。
相手の事情もよく知らずに安易にそういった発言をしないようにすることも、周囲の大人は注意する必要があるでしょう。
専業主婦のメリット
共働きの急増で肩身の狭い思いをしている専業主婦ですがメリットも多くあります。専業主婦にはどういったメリットがあるのか紹介していきます。
- 子供と過ごす時間が多い
- 料理の腕が上がる
- 平日の日中にしか行けない場所へ行ける
- 家事のやり残しがない
- 常に家がキレイ
- ストレスが少ない
- お金に対する意識が変わる
- 扶養や配偶者控除など優遇処置が受けられる
それぞれのメリットについて詳しく説明していきます。
子供と過ごす時間が多い
働きに出るワーキングマザーが多い現代では、保育園不足などがたびたび問題になっています。しかし専業主婦ならこういった社会問題も気にする必要もありません。
何より、乳児から幼少期にかけての子供の成長は1ヶ月ごとに目まぐるしく変わってきます。仕事を始めることで育児の悩みからは多少解消されますが、やはり子供と過ごす時間は専業主婦より減ってしまうため、子供の成長を見逃していしまうかもしれません。
育児はいつか終わってしまうものです。大切な家族と1分でも1秒でも長くいられるのは専業主婦の最大のメリットと言ってもいいでしょう。
料理の腕が上がる
共働きの女性は、仕事から帰宅後夕食の準備を開始するかたも多いでしょう。そうすると、毎日の献立を考えるの苦痛になり、時間がなかったりで簡単な食事しか用意できないということもしばしばあります。
しかし、専業主婦なら家事をこなしながらでも冷蔵庫の中をいつでも見れるので、献立が思いつきやすく調理時間もとれるので、栄養面や味に凝った料理を作る事が可能です。
作ったことがない料理にも積極的に取り組むことができるため、料理の腕がメキメキ上がるのも専業主婦のメリットの一つです。
平日の日中にしか行けない場所へ行ける
役場や銀行、郵便局など、平日の昼間にしか空いていない施設に行けるのも主婦の特権です。
必要な書類などがあればすぐに用意ができるので旦那さんなんかはいざという時に助かります。
家事のやり残しが少ない
兼業主婦だと、出勤前や帰宅後に家事をこなさないといけないため、毎日すべての家事を済ませるのは難しいでしょう。
結果的に洗濯が間に合わなく、夫のYシャツや子供の服が足りないなんてプチパニックもしばしば発生します。
主婦なら家の状態を常に把握しているので、洋服や生活必需品がいざという時に無いなんてことが少ないため家族も安心です。
常に家がキレイ
例えばせっかく夢のマイホームを購入したとしても、部屋が散らかっていたりすると誰かを家に招くこともできません。仕事が忙しく、結局部屋の片付けができていないため急な来客に困ることもあります。
しかし、専業主婦なら、きれいな状態が当たり前なので、急な来客があっても部屋の中を見られても恥ずかしくないとう環境を常に作っておくことができます。
ストレスが少ない
仕事をしていると達成感などが味わえる反面、上司からのプレッシャーなど仕事のストレスが必ずといってのしかかってきてしまうものです。
その反面、主婦は家族からお礼は追われることは少ないですが、他者からのプレッシャーに悩まされることはありません。ストレスを溜め込まないためのリラックスした時間も取ることができるのが主婦の魅力です。
お金に対する意識が変わる
夫の収入が多い主婦は稀で、常に家計を気にしなくてはいけません。
そのため、節約方法やポイントの還元率などお金に関する知識も豊富になってきます。
物を大事にしたりする日本人本来が大切にしている風習である「もったいない」ということをもっとも実行し、“無駄金”を使わないことが主婦の特技ともいえます。
扶養や配偶者控除など優遇処置が受けられる
専業主婦は仕事をしていないため、夫の扶養に入ることができ、通常仕事をしていたら払わなくてはいけない社会保険料や国民年金などを支払う必要がありません。※自営業の場合などは異なります。
また、配偶者控除は仕事をしていない主婦がいる世帯の支払う税金の負担を軽減してくれる措置となっています。
専業主婦なら大人として負担になる税金や保険料の支払いを気にせずに済むという点ではメリットと言えます。
専業主婦のデメリット
続いて、専業主婦のデメリットについて紹介します。
- 専業主婦は楽で暇だと思われている
- やって当たり前だと思われる
- 悩み事がある時に相談できる人がいない(孤独)
- 人との関わり方が面倒に感じる
- 自由に使えるお金がない
- 再就職が厳しい
- 家計をやりくりするのが大変
- 経済的に自立していない
それぞれのデメリットについて詳しくみていきましょう。
専業主婦は楽で暇だと思われている
世間には「専業主婦は家事が終わればテレビをみたり、昼寝したりで楽でいいな」なんてことを思ったり、口に出す人がいます。
専業主婦の仕事は家事・掃除・洗濯のみで一見外で働く人から見ればとても楽な仕事だと思われているのが現実です。
理由は仕事しながら一人暮らしで何とか生活できていたのだから、家のことを仕事と考えるのはおかしいという人もいるからでしょう。
また、それが終わればすべては自分の時間に充てられると思っている人も多いようです。しかし専業主婦を選択した人には、夫を支えたいと思う人や、子育てに専念したいなど様々な理由があります。
さらに、会社には休暇がありますが主婦にはありません。毎日365日家族が健やかに過ごせる場所を維持するために、掃除や洗濯を毎日頑張っている専業主婦の方からすれば、「主婦は楽な仕事」と言われると目の前が真っ暗になるほどショックな言葉です。
やって当たり前だと思われる
部屋を清潔に保つ、いつもきれいに選択された洋服がある、栄養バランスの整った食事が帰ったら用意されているなど、専業主婦は家族が安心して仕事や学校に行けるようにいつも気を配っています。
それは成果のひとつでもありますが、いつも清潔に保たれていると、家族にはそれが普通のことのように感じられるため、どんなに頑張ってもその成果を褒めてもらうことができません。
そして事なスーツのシミをとった、夫の健康を考えてヘルシーな食事を作った。こういった過程の苦労を近くで見ている人がいないため、最終的な成果しか手元に残らず、労ってくれる人がいないのです。
そのため体調を崩して寝込んでいれば「なんで部屋が汚いんだ、怠けているのか!」と怒られることもあるようです。
毎日頑張ってしっかり家事をやっても評価されないうえにちょっと手を抜くと非難されてしまいます。
会社ではないので給料などの目に見える報酬がでるわけでもなないため、感謝の気持ちがなかったり、やって当たり前だという家族の態度を見ると、専業主婦は何のために頑張っているのかわからなくなってしまいます。
悩み事がある時に相談できる人がいない(孤独)
夫婦だけで生活していると、相談できる人がいないという悩みを抱えている専業主婦も多くいます。
子供ができるとその悩みは大きくなり、昔に比べマンションの隣の住人さえよく知らないという現代では、子育てについて相談する人が身近にいないために一人で悩んでしまい、結果うつ病になったり育児ノイローゼに陥る人も少なくはありません。
このように悩みを誰にも相談できずに一人で抱え込み、孤独を感じる主婦も多いのです。
このような時は自治体などが行っている助産師や経産婦の相談室や子育て支援を訪れたりするなど、とにかく人と関わるようにしましょう。
自治会や子育て支援なら引っ越しなどで地域が変わっても必ず存在しているはずです。夫の転勤が多い専業主婦の方はぜひ活用してみましょう。
人との関わり方が面倒に感じる
例えば、マイホームを建てたり、マンションを購入してその地域に住み続けることになると、どこかで地域や自治体と関わる必要が出てきます。
地域の掃除やお祭りなどの参加を要請される専業主婦も多く、都会より田舎の方がその傾向が強いようです。
また、子供が学校に通うようになると、保護者同士の付き合いがでてきます。専業主婦の場合は特にママ友と付き合う時間が多く、母親同士の接し方や付き合い方に悩みを抱えるケースも増えてきます。
ひどいときは専業主婦は「一日家にいるんでしょう?」とPTAなど無理やり学校での仕事を任されてしまったりすることもあります。
このように近所やママ友などの人との付き合い方に悩む専業主婦の人は多いことでしょう。
自由に使えるお金がない
女性は専業主婦でもそうでなくても外出するときは化粧や洋服、靴やバッグに至るまで様々な準備が必要となり、季節や流行によって左右されがちな女性のメイク道具やファッションは、時代遅れになると浮いてしまいます。
しかし社会人やバイトなどのように外で働いてお金をもらうことはないので、家族に怪我や病気があった時のために貯蓄していることはあっても、自分のためにお金を捻出しているところも少ないでしょう。
自分で自由に使えるお小遣いがない、または少ないという人も多いのです。また、専業主婦は自分で働いて収入を得たものではないお金から、自分の身の回りのものを買うとことに対して精神的にためらいを覚えるようです。
さらに、「専業主婦なんだから新しい服はいらないだろう」「化粧なんかどこにしていく必要があるんだ」など夫からの心無い質問に対して、後ろめたい気持ちになってしまう人も多くいます。
結果的に多くのことを我慢してしまっていることも少なくはありません。
再就職が厳しい
また専業主婦になった結果、職歴に大きな空白期間ができるので、再就職も難しく働き口が見つからないといった不安もあるようです。
こういったもしもの時に使えるお金もない、働くこともできないということは専業主婦の多数が感じている悩みでもあるのです。
家計をやりくりするのが大変
夫から家計を任されている専業主婦は、夫の収入が多い、または安定していると思われがちですが、実際はやりくりするのが大変だといわれています。
生活に余裕がある家庭のほうが稀で、どの家庭でも専業主婦は家計のやりくりに追われています。
毎月の生活費を赤字にしないためにはどうしたらいいのかが専業主婦の悩みの種でもあります。これはある意味自営業と同じです。
夫婦でいるときはなんとか生活できていたとしても、子供ができて成長すれば必要になるお金はどんどん増えてきます。
そのたびに大きな出費があり、車や家を買えば毎月のローンにも苦しむことになります。
毎月の夫の収入からこれらをうまくやりくりするのは、専業主婦である妻に一任されていることが多いようです。
結果として夫にお小遣い制を導入したり、生活を切り詰めるように毎日を暮すことに苦痛を感じる人も多くいるようです。
経済的に自立していない
専業主婦は生活費はもちろん、自分が欲しい物もすべて夫の収入から捻出することになります。経済的に自立していない自分の今の環境が専業主婦の悩みとなっているのです。
そのため、もし家庭内で問題があり、離婚するようなことがあっても、引っ越すお金もないし生活もできないということに不安を感じている専業主婦が多く、夫から見放されれば明日生きていくお金もないと思い込んで要る方もいます。
しかし、夫が外で安心して働けて、家の家事をしなくても良いように主婦が頑張っているので、夫の収入=家族の収入と思うのが本来の考え方です。
本来なら女性である専業主婦の身の回りのものについても家計から支出しても何の問題もないはずです。
40代の壁がある
同じ専業主婦でも、子育てが落ち着いてくるベテラン主婦ともいわれる40代主婦には、若い頃にはなかった特有の悩みが出てきます。
一日にやらなければならない家事をテキパキと終わってしまうと、それ以降は暇すぎてやることがないという悩みを抱え始めてしまうのです。
元々社会との接点もないため、老後など夫がいないと生きていけない自分に不安を強く感じ悲観的になってしまう時期のようです。
共働きのメリット・デメリット
専業主婦のメリットとデメリットについて詳しく紹介していきました。
ここからは共働きのメリット・デメリットについて紹介していきます。
- 家計が楽になる
- 仲間ができる
- 社会との接点ができる
- 夫婦関係が良好になる
- 老後も安心
- 支払う保険料や税金が増える
- 家計の支出が増える
- 子供と過ごす時間が減る
- 子供の病気時には仕事を切り上げなくてはいけない
- 家事がしっかりこなせない
- 夫婦両方でストレスがたまる
共働きの家庭では、収入が増えるため一見家計が楽になる、貯金が増えるなど良い面が高いと思われがちですが、働くことで保険料や年金、子供預ける人は保育園料などの支出が増えることを忘れてはいけません。
また、子供と過ごす時間が減ることに加え、どんなに重要な仕事をこなしていても子供が急病になった際は、職場の人に頭を下げて帰宅しなくてはいけません。
今では託児所が併設されている会社も増えてきているのでそちらを活用するのも一つの方法です。
また、仕事にストレスはつきものですので、夫婦でそれぞれイライラが募り関係がギクシャクしないように気をつけなくてはいけません。
しかし、働くことで職場の同僚と飲みに行ったりしてストレスを発散したり、人間関係も広がるので孤独を感じたりすることも少ないでしょう。
専業主婦も働く女性もどちらも楽ではない!
専業主婦と働く女性のそれぞれのメリット・デメリットを比較してみると、それぞれの悩みについても見えてきます。
専業主婦は家事や育児など毎日の生活に追われて、楽で暇といったことからは無縁だということがわかるでしょう。
しかし働く女性の増加で世間での専業主婦のイメージのギャップはさらに広がっているように思えます。
そんな時は専業主婦にしかできないことをあなたなりに一つ一つ見つけていきましょう。
また、40代まで専業主婦で頑張ってきた方も、ふと自分のこれまでの生き方に疑問が出てくるようなこともあるかもしれません。
働く女性も、毎日が仕事と子育てで目まぐるしく過ぎていき、気づいたら40代で自分の時間をゆっくり過ごせてなかったという方も、一度立ち止まって自身の人生について考えるときが来るようです。
そういったときは、いつまでも過去の出来事を悩むのではなく、これからの生き方を模索する時間に充ててみましょう。
気分転換に散歩や旅行をするなどして狭い世界から飛び出し、第2の人生には早いかもしれませんが、新しい夢を抱いてもいいかもしれまえん。