「将来が不安」と一言でいってしまうのは簡単ですが、その不安の形も人それぞれで違いますよね。
ここでは一般に「将来が不安」と感じるその理由と、不安が生じやすい病気、そして「将来が不安」に感じないための対処法について説明します!
「将来の何が不安なのかよくわからない」「将来のことはあまり考えていない」という方もよかったら参考にしてみてください。
将来が不安…それぞれの年代が抱える色々な不安とは?
あなたは、どんな時に「将来が不安」と感じますか?
例えば天変地異や大きな事故が起きた時、周りの友人は目標や夢をもっているのに自分には何も無い時、将来が不安になることってありますよね。
しかし、実際に自分の身に起こる人生に一回のライフイベントで生まれる「将来の不安」は、自分で解決していかなければなりません。
将来の不安を感じる時はどんな時なのか、その対処として何をすればいいのか、その考え方を具体的に説明していきます。
受験の不安
小学生・中学生・高校生にとって、初めて直面する大きな不安が「受験」です。どんなに自分では頑張ったつもりでも、受験は「相手が自分を選ぶ」初めての経験です。
「もし、解答欄を間違えてしまったら」「もし、風邪をひいてしまったら」というネガティブ思考で、わずかな可能性しかない不安要素が次々と思い浮かんでしまい、夜眠れなくなってしまうということもあります。
一番は「受験に失敗してしまった」自分を想像し、両親や周囲の人の落胆の表情と深いため息、人生の挫折者としての烙印を押された自分の姿を思い浮かべて不安になってしまうことも。
受験勉強が生活の中心になっている学生にとって、「受験に失敗してしまったら」という不安は、将来の自分像が崩れてしまうほどの強いプレッシャーになります。
そのため内定や確約をもらっていたとしても、合格通知をもらうまでは不安が解消されることはありません。
また、受験はしたいけれど、学費など家族に対する負担を考えて、ほんとうに受験してい良いのかと不安を抱くこともあります。
受験は、合否によって将来の進路に関わってくるため、強い不安を感じる人生に通過点の一つです。
就職活動の不安
近年雇用は改善傾向とはいえ、高校生・大学生にとって自分の希望に沿った就職先に就職できるかどうかは、自分が描く将来設計に大きく影響します。
何より「就職できない」ことは、本人だけでなく家族も巻き込んた将来への不安に直結することになります。
就職は、相手(会社)側が自分を審査して選びます。なので選ばれなかったことで自尊心が傷ついたり、自信が持てなくなったりする場合もあります。
“有名な大手会社や福利厚生がしっかりしている会社に就職する=将来が安定”確かにこの法則は一理あります。
この法則通りにいかず、就職ができない場合には、将来の保障が不安定に思えて将来に不安を感じることになります。
生活の糧となるはずの「就職」が決まらない、就職ができないことは、今後の生活基盤を考える基礎を作ることができないため、将来へ不安を目の当たりにすることになります。
社会人としての不安
就職をしたとしても、将来の不安を抱くことがあります。それは、「仕事が覚えらない」焦りや、「仕事が自分に合わない」現実と向き合った時です。
大学までは、合格さえすれば自分が望む科目・教科が選択できますが、職場はそうとは限りません。
また、学校とは違い仕事は同年代だけでなく、様々な年代の人とも関わらなければならないため人間関係が一気に広がります。
そして、誰でもはじめは業務である接客や電話応対、会議への参加など学校では教わったことのないことを行わなくてはいけません。
高校・大学までは成績もそこそこ優秀だった自分でも、「仕事ができない」「会社の役に立たない」といった“できない自分に向きう”ことになります。
職場になじめない、周囲の人より仕事に時間がかかる不安と焦り、仕事に慣れてきたとしても「この仕事を続けられるだろうか」といった社会人としての将来への不安が募ってくるのです。
シニア層の不安
仕事も引退した後は、急に丸一日ポッカリと時間ができてしまい、戸惑う高齢者も少なくはありません。
働いていた頃より収入が年金のみとだいぶ減ってしまうので、時間があっても無駄遣いできないという点や、体力の低下によって風邪を引きやすくなったり怪我をすることが増えることや持病による通院といった若い頃にはでなかった支出もでてきます。
また、何十年も住んでいたアパートが取り壊しになったために引っ越しをしようと新しいアパートを探すも「高齢者お断り」と言われるケースも多いとか。
シニア層でも、仕事をしなくなったら「好きなことを自由にできる」ということにはなかなかならず、生きがいだった仕事を失うことや収入が減ることからいざという時の貯金ができないという不安がのしかかってくるようです。
人生100年と言われている現代では、65歳で仕事を引退せず、再雇用などで働き続けている高齢者も増えつつあります。
人間関係が不安
人間関係の構築は、集団生活をする小学生からはじまり、社会人までそれは続きます。
そして人間関係で起こりたくない問題が「いじめ」で、一度でもいじめの対象になったことがある場合は一気に対人関係に不安を抱くようになるため、最悪「不登校」「引きこもり」という行動を引き起こすきっかけになります。
そうなるとこのまま自分に自身が持てず、将来の自分の姿を思い描く事自体困難になってしまうのです。
また、社会人の離職理由にも「人間関係」があります。一身上の都合で退職と言ってもその中には、上司からのパワハラや、同僚からのいじめ仲間外れ等が原因なことも少なくはありません。
学校や職場で過ごす時間は、家族といるよりも長く毎日繰り返されます。いじめや人間関係で悩みを抱えてしまうと、本人が気づかないうちにうつ病を発症することもあります。
恋愛や結婚にまつわる将来の不安
将来といえば、受験や就職もそうですが、それと同じくらい不安に思うのが将来の伴侶のことではないでしょうか。
現在彼氏・彼女がいる人もいない人も、仕事が忙しい人でさえ結婚について一度は考えたことがあるはずです。
恋愛や結婚にまつわる不安について紹介していきます。
結婚できない不安
普通に就職して、普通に結婚するのもと思っていたら、30歳を過ぎ、気が付けば彼氏・彼女もまだできていない、こうした現実に気が付く時が来るでしょう。
その時は、友達が結婚したり子供が生まれたり、そして「これからのキャリアどうするの?」と上司から声をかけられた時かもしれません。
「結婚=当たり前」と思って疑わなかった人にとって、「結婚できない不安」は、暗い部屋に毎日帰宅する、老後に一緒に過ごす人がいないなど、将来に不安を抱くことになります。
結婚もできない自分に焦って婚活したりする一方で、一人で生きていくことになっても困らないように、お金をためはじめたりなどの行動をとってしまっている方もいるでしょう。
これらは結婚への不安がいよいよ強く出ている証拠なのです。
今の彼氏との将来が不安
現在彼氏・彼女がいたとしても、今の恋人との結婚を考えると、将来に不安を抱くこともあります。
例えば相手の収入が不安定であったり、相手の仕事の転勤が多い場合には、自分が仕事を辞めなければならないかもしれません。
また、親や親戚との関係や、子供を産む・産まないの選択、「結婚」が現実になればなるほど、「彼のことは好きだけど、本当に彼と結婚して幸せになれるだろうか」「将来、生活に困ることはないかしら」と将来に不安を抱き、マリッジブルーになることもあります。
結婚は、それまで築いてきた生活基盤が大きく変わる人生の一大イベントでもありますので将来に不安を抱いて当たり前ですよね。
結婚してから「そんなの聞いてない」といったことにならないように、まずはお互いに将来についてどういったビジョンを描いているのかを話し合ってもいいかもしれません。
結婚はしないと決めた!でも将来の不安は消えない
結婚に対し不安を抱いて、行動に移している人はまだいいのですが、「自分はあえて結婚しない」「仕事が恋人」といった変な意地をもって何も対策していない人は要注意です。
最近では「晩婚」や「未婚」の結婚適齢期の男女が増えてきています。そうすると一人で生きることのリスクを背負わなくてはいけません。
自分が病気になった時そばで誰が面倒を見てくれたり、老後を誰かと笑って過ごせるのかはやはり結婚している人としていない人では大きく将来が変わってくるのです。結婚は、想像以上に人生の支えになります。
また、出生率がこのまま下がり、将来の若者の数が今よりずっと減少すると、年金などの老後の生活保障にまで影響を及ぼしかねません。
結婚をするかどうかは個人の自由ではありますが、自身の老後の生活に関わってくる少子化問題は深刻化していることを頭に入れておかなくてはいけません。
将来は確実なものは確かに何もありません。だからこそ、将来への不安は尽きないものなのです。
将来の不安から引き起こる心の病気
ここからは不安から引き起こされる様々な心の病気について紹介してきます。
もしかした自分も当てはまるかも・・・と思われる方は、症状を確認するためにも一度診察にかかってもいいかもしれません。
不眠症
受験や人間関係、仕事の将来が不安で夜寝付きが悪い、眠りが浅い、まったく寝れないといった不眠になることがあります。これが不眠症で、様々な心の病気の代表的な症状でもあります。
しかし睡眠は心のバランスをとるのにとても大切なことです。成長ホルモンは夜中に分泌され、この成長ホルモンの分泌が少ないと全体のホルモンバランスが乱れ、風邪をひきやすくなったたり、気持ちが落ち込みやすくなったり、肌や髪に張りがなくなったり、全体的に活力が下がることになります。
不眠は、さまざまな不安につながりやすく、将来への夢や希望というポジティブな面よりも、ネガティブな想像や思いつきと結びつきやすくなります。
また、不眠はうつ病の症状でもあります。不眠が続く場には、カウンセリングや診療内科にかかることも大切です。
不安障害
不安は、漠然とした不快な感情ですが、それが病的に強く感じ心身の症状を伴うこともあります。その一つに不安障害・パニック障害と呼ばれるものがあります。
きっかけは、さまざま。仕事のプレゼンで緊張しすぎて失敗してしまい、また同じ状況になったらと思うと過剰は不安で、冷や汗や動悸が出現したり、過呼吸や呼吸困難を起こすこともあります。
また、はっきりとしたきっかけではないのに、ストレスや不安に思うことが重なって、症状が出現することもあります。
不安で心身の症状を起こしたことが引き金になり、「将来、また同じ発作を起こしてしまったら」「不安で外に出ることができない」など、社会生活を送ることにも支障がでてしまい、将来への不安を抱くことになります。
不安に襲われる、不安で日常生活に支障があるなどの場合には、自分だけで解決しようとせず、診療内科やカウンセリングを受けることで、不安の認知が楽になります。
うつ病
過度のストレスや不眠、不安にさらされると、年代関係なく誰でもうつ病を発症する可能性があるといわれています。
特に責任感が強かったり、周りへの気遣いができる人ほど実は強いストレスがかかってしまいるようです。
うつ病にかかると、「眠れない」「食欲がない」「だるくて体が動かない」「気持ちが集中できない」「夢や希望が持てない」など心身の症状や思考の特徴がみられます。
また、うつ病は自分自身を否定し、罪悪感を抱いてしまうため、将来への不安が絶望に変わり、最悪生きていること自体がしんどいと感じてしまう危険な状態になることも。
強いストレスがきっかけで、うつ病にかかっている可能性がある人は、将来の不安を考えることよりも、きちんと治療をして心と体を十分休めることが先決です。
将来の不安を未来の希望に変える6つの方法
将来の様々な不安や心の病気についてまで紹介していきまた。
ここからはこういった将来へのマイナス思考を少しでもポジティブな考えに変えるための具体的な方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしていみてください。
不安を希望に変える6つの方法は以下のとおりです。
- 良く寝て良く食べる
- 何が不安かを具体化する
- 自分がこれまでに得てきたものを思い出す
- 既成概念にとらわれない
- 1年後・5年後・10年後の夢を抱く
- 将来を引き寄せる
よく寝てよく食べる
よく寝て、よく食べることは、神経伝達物質の活動や、ホルモンの分泌を活発にし、気持ちを安定化させます。
先程心の病でも紹介したとおり、不安になると、食欲が落ちたり、寝みれなかったりして、ホルモンのバランスや脳に意欲を出させる神経伝達物質の活動を悪くさせてしまい、更にマイナス思考に陥ってしまいます。
不安を感じても、ある程度で考えるのを止めて眠るようにします。また、美味しい物を食べることもおススメです。
さらに、ウォーキングをするといった同じリズムを刻む運動も、セロトニンという睡眠と深くかかわる神経伝達物質を刺激します。
「将来が不安」だと感じたら、まずは「良く寝て、良く食べて」体力をつけて将来に備えることが大切です!
何が不安かを具体化する
不安は不安を呼び起こします。まずは、「将来」の何が「不安」なのかを具体的に表現してみましょう。
もちろん、「受験に失敗したら」「就職に失敗したら」という不安自体は、合否が決まるまで解消されないかもしれません。
しかし、「受験の日に遅刻したら」「就職試験で自己アピールに失敗したら」という不安であれば、遅刻しない対策として誰かに起こしてもらったり、前日から受験する場所の近くに泊まるなどの対策を考えることができます。
また、自己アピールについても、事前に文章化してたり練習することで心の準備をするなど、不安がはっきりすることでいくらでも対策は行えるはずです。
そのいった対策を考えるためにもまずは、あなたが抱く「将来の不安」の内容を具体化してみて下さい。
自分がこれまでに得てきたものを思い出す
不安は、経験したことがないから、情報が不足しているから、欠けているから生まれているものです。しかし、将来はどんな人でも同じように「初めての経験」であり、「未開の地」なのです。
「これからどうなるのだろう」「人間関係がうまくいかない」と将来の不安を抱いた時は、今までの自分を振り返ってみて下さい。
すべての人間関係がうまくいかなかったり、壁にぶつかった時に乗り越えられなかった訳ではないと思います。
あなたの過去が、あなたに沢山の経験・出会い・成功体験を持っています。不安を抱きやすい人は、自分の持っている物、体験を過小評価して、出来なかったこと・うまくいかなかったことを過大評価する傾向があります。
あなたの家族、友人、経験、資格、乗り越えて手に入れた物は、沢山あります。不安になった時は、自分が乗り越えてきた過去を書き出したり、思い出してみて下さい。きっと、将来の不安が軽くなります。
既成概念にとらわれない
自分の中に「未来はこうあらねばならない」という規制概念が強いと、それから外れることが「将来の不安」に結びつきやすくなります。
たとえば、30歳までに結婚しなければならないと思っていたのに、彼氏がいないと、どんどん焦ってしまい「自分はもう結婚は無理かもしれない」といった不安にかられてしまいます。
例えば女性で仕事が上手くいっていて、キャリアを捨てて結婚なんて考えられないとします。こういう時は旦那さんに主夫になってもらうことも検討してみるのです。
将来的には子供を夫に預けて女性が安心して働ける社会が来るかもしれません。結婚後も共働きでバリバリ働くことで老後の貯蓄も早々にはじめられます。
一般論から少し外れたとしても、少しもあなたの将来を不安がる必要はないのかもしれません。
あなたの考え方一つで、将来の不安から解放されることができます。
1年後・5年後・10年後の夢を抱く
将来が不安であれば、将来の自分の姿を想像してみます。1年前のあなたは、きっと今抱いている「将来の不安」を抱くなんて考えていなかったはずです。
これを、逆手にとって、1年後・5年後・10年後の自分を想像し、その夢を実演するために今何が必要か、今何をやらなくてはいけないのかといったことを具体化していきます。
たとえば、彼氏と結婚したいけれど、現時点で将来が不安なら、1年後に「結婚」、5年後には「子供が一人」、10年後には「家を買う」などの夢を抱くとします。
具体的に夢のために実行するとしたら、今足りないものや準備しなくてはいけないことがわかりますし、その夢以外にもあなたの仕事や収入、やりたいことなどが浮かんでくると思います。
そうなった時に、自分がどうしたいか、どうなったら「幸せ」と感じるのかを考えていくと将来の不安が「希望」に変えることができると思います。
将来を引き寄せる
「引き寄せの法則」を聞いたことがありませんか?今見ている星の光は、何億光年前の過去が放った光です。
それと同じように、未来の自分が過去の自分を見ていると考えると、「今」の自分の不安が「未来の自分」を引き寄せてしまうかもしれません。沢山の可能性がある自分の未来を今の自分が決めるのです。
たとえば、「仕事が覚えられない」のなら、1年後はバリバリと仕事をしている自分を想像し、そうなるためには何が必要なのかを考えていきます。「バリバリ」とは何を指すのか、誰か先輩を目標にしたり資格を取得するなどを考えます。
この時、大切なことは、「苦しくない」こと、「わくわく」することです。受験に失敗したり、希望の就職先に就職できないことがあるかもしれませんが、あなた自身が描いた未来は、多分そのことを乗り越え、未来を生きるために頑張っている自分の姿が見えてくると思います。
不安は具体化することで解消できる!
いかがでしたか?「将来が不安」と感じる原因と、その対策について説明してきました。
見えないことや物に過剰に反応してしまうと、「柳も幽霊に見える」といわれていますが、将来への不安も同じではないでしょうか。
「あれも不安、これも不安」と思い込み保身しようと殻に閉じこもってしまうと、手も足も動かせなくなってしまうことになります。
しかし、「将来の不安」は考え方によっては「未来の希望」に置き換えることもできます。不安があるということは自身の人生の問題点を認識しているということでもあるのです。
やりたいこと、手にしたい物を沢山想像し、そのための準備を具体化することで、見えなかった将来の自分の姿も見えてきます。
あなたもこれを機会に「将来の不安」を「将来の夢」に変えていきませんか?