グローバル化が進む昨今、小学校でも英語が必修化されるなど、早期英語教育に対する関心が高まっています。
早期英語教育とは小学生までの間に行う英語の教育のことです。
学校や会社などでTOEICなどの英語テストのスコアが個人評価に直結するケースも増えてきており、子供の英語教育に責任を感じる保護者も少なくないでしょう。
「自分は英語で苦労したから、子供には早くから英語を勉強させたい。でも何をすればいい?」
「子供には何歳から英語を勉強させるのが良いのかしら?」
「早いうちに始める方がいいって話も聞くけど、ほんと?」
子供の英語教育について、さまざまな悩みや不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では早期英語教育のメリットとデメリットをご紹介しますので、早期英語教育を行うべきか、何歳から始めるべきかなど判断するのに役立てて頂ければと思います。
幼児からの早期英語教育は必要
幼児のうちから英語教育を始めるかどうかお悩みの方も多いと思いますが、結論から申し上げますと高い英語力を身に付けたい場合には、幼児からの早期英語教育は必要だといえます。
なぜなら、大きくなってから英語を勉強すると、どうしても日本語なまりのジャパニーズイングリッシュになってしまい、正しい発音を習得するのが困難になるからです。
例えば、「L」と「R」、「C」と「K」など日本語にはない発音や、「t」や「d」など消える音の習得がそれにあたります。
幼児のころから英語の勉強を始めることで、正しい英語の発音を身に付け、日本語にはない英語の音を聞き分けられる「英語耳」を育てることができるでしょう。
小学校で英語が必修に!早期英語教育をする人は増えている?
小学校では英語が必修になっており、2020年からはさらに小学校での英語教育が強化されます。
小学校の英語教育がどう変わるのか、中学受験に影響はあるのか、どう対策をすればよいのかを見てみましょう。
2020年から変わる小学校英語教育とは?
2020年は教育改革の年として位置づけられており、「アクティブラーニングの実施」や「センター試験の廃止」と並び、「英語教育の強化」が重要な施策となっています。
現在、小学校ではすでに小学校5・6年生で英語の「必修化」がされており、2020年からはさらに小学校高学年で英語の「教科化」、小学校3・4年生で英語の必修化が全面的に実施される予定です。
授業の内容やテキストは学校で自由に決めることができ「外国語活動」として実施されます。
教科ではないので通知表に記載されることもありません。
・教科化・・・文科省の検定に合格した「検定教科書」を使って授業を行う、つまり国語や算数と同じ位置づけになるということです。
テストも実施され、通知表に評価が記載されるようになります。
2018年と2019年は移行期と位置づけられており、小学校中学年で年間最低15単位の「外国語活動」、小学校高学年で「外国語活動」の授業35単位に新たに15単位を加えた年間50単位で新学習指導要領の一部を勉強することが必須となっています。
2020年からは、小学校中学年は週1コマ程度(年間35単位時間)の「外国語活動」、小学校高学年は週2コマ程度(年間70単位時間)の「教科としての英語」の授業が行われるようになります。
中学受験への影響
2020年からの英語教育の強化によって、中学受験への影響はあるのか・・・。中学受験を視野に入れているご家庭では特に気になるポイントでしょう。
ここでは中学受験への影響について見てみましょう。
現在は中学入試での英語の導入は限定的
現在は英語はまだ教科化されていないため、入試で英語を導入している中学校は少ないです。
英語を導入している場合でも、受験科目として必須というわけではなく、英語を受験科目として選択できる「英語選択入試」の方式をとっています。
また、英語の選択入試を導入しているのは中堅下位校が中心です。
男子校の御三家といわれる開成中学校・麻布中学校・武蔵中学校、女子の御三家といわれる桜蔭中学校・女子学院中学校・雙葉中学校の2020年の入試では、英語は受験科目に含まれていません。
英語の受験科目必須化は2022年度から?
では、中学受験において英語が本格的に導入されるのはいつ頃になるのでしょうか。
英語が「教科化」される2020年度に小学5年生となる生徒が、中学受験するのが2022年度です。
これにあわせて2022年度の中学入試から、受験科目に英語を必須とする学校が出てくると考えられます。
2020年の英語の教科化によって、それまで中学1年生で学んでいたレベルの英語が、小学校高学年に前倒しされるようなイメージになります。
中学受験を目指す子供は、これまで以上に意識的に英語に取り組む必要が出てくるでしょう。
英語教育早期化への対策とは?
小学校3・4年生での英語必修化、小学校5・6年生での英語教科化に向けて、家庭でも早いうちから英語教育に取り組んでいくと良いでしょう。
小学校3・4年生からの授業がスムーズになり、中学受験を視野に入れている場合は受験対策にもなります。
とはいえ、小学校での英語教育の強化は学校側でも新しいチャレンジなので、試行錯誤しながら授業が行われることもあるかもしれません。
質の高い英語の教育を受けさせたい場合には、学校の授業だけではなく各家庭でも英語教育の環境づくりに取り組む必要があると言えます。
早期英語教育のメリット
ここまでお伝えした通り、小学校での英語教育の強化に伴って早期英語教育の必要性はますます高まっています。
ここからはいよいよ早期英語教育にはどんなメリットがあるのかご紹介します。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
- 英語の発音が良くなる
- リスニング能力が向上する
- 英語が好きになる
- 異文化に触れることで視野が広がる
- 外国人と話すのに抵抗がなくなる
- 自信につながる
- 脳が発達する臨界期を活かせる
- 右脳の発達が促される
- 英語の学習時間を増やせる
- 小学校の勉強がスムーズになる
- 受験期に他の科目に集中できる
英語の発音が良くなる
英語でスムーズなコミュニケーションを取るためには、正しい発音を身に付けることが大切です。
乳幼児は大人とは違い、英語を聞いたまま発音できます。
大人になってから英語発音を習得するのはとても難しく、日本人は日本語特有のアクセントが強い「ジャパニーズイングリッシュ」を話す人がほとんどです。
そのため、「ジャパニーズイングリッシュは聞き取りにくい」と思われてしまいます。
そうならないためにも、乳幼児期から英語に触れることで、よりネイティブに近い発音を身に付けることが大切です。
リスニング能力が向上する
言語の習得は3歳までに始めるのが効果的と言われています。
それは、聴覚の発達が赤ちゃんの頃から始まっているからです。
赤ちゃんはお母さんのお腹にいるときから外の音を聞いています。産まれてからは周囲の言葉をグングン吸収し、2~3年で母国語で話せるようになっていきますよね。
成長と共に聴覚の発達が完了してから、リスニング能力を向上させるのはかなりの努力が必要になります。
大人になって英語を必死に勉強しても、なかなかネイティブの英語を聞き取れるようにならないという人は多いのはその理由です。
特に「L」と「R」、「C」と「K」の違いは日本語にはないものなので、聞き取りに苦労する人が少なくありません。
英語が好きになる
英語が苦手という大人は多く、いったん苦手意識を持ってしまうと、克服するにはかなりの努力が必要です。
しかしながら、小さいうちから楽しみながら英語に触れることで、英語が好きになり自然と英語を身に付けることができます。
英語で歌やダンスを楽しむことで英語が好きになり、「もっとやりたい!」と積極的に英語に取り組めるようになるでしょう。
異文化に触れることで視野が広がる
英語のスキルだけに留まらず、広い視野を持ち、異なる文化にも飛び込める姿勢を養うことは、やがて自分の世界を大きく広げることにつながるはずです。
英語を通して外国人の先生とコミュニケーションをしたり、同年代の外国人の子供と遊んだりすると、異文化に触れられて視野が広がります。
英語でコミュニケーションをとれるようになると、外国人に対しても積極的に話せるようになり、異なる国の文化や考え方などをどんどん吸収できるようになるでしょう。
外国人と話すのに抵抗がなくなる
日本で生活していると外国人と関わる機会は少なく、いざ外国人と話すことになると慌ててしまいませんか?
しかし、英語が下手でも臆することなく積極的に外国人と英語で話せる人は、飛躍的に英語が上達することも珍しくありません。
躊躇せずに、どんどん英語でコミュニケーションをとることは、英語の上達にとても重要です。
小さいころから英語に親しんで英語に対する抵抗がなければ、外国人とも積極的にコミュニケーションをとることで、さらに英語力を伸ばすことができるでしょう。
自信につながる
英語が苦手な人は「自分は英語ができない」という意識が強く、英語で話すのが怖くなってしまうことがあります。
せっかく学校で勉強しても、自信がないために英語で話す機会を自ら遠ざけてしまうのは、とてももったいないことです。
ところが、小さいころから英語に触れ、先生や友達と英語でコミュニケーションすることで「自分は英語ができる」という自信を持つことができるのです。
自信を持てると積極的に自分からコミュニケーションを図ることができ、さらに英語力を伸ばすことができるでしょう。
脳が発達する臨界期を活かせる
9歳~10歳までの脳の発達が盛んな時期は「臨界期」と呼ばれます。
臨界期までに英語に触れることによって、英語特有の音の聞き取りや、正しい発音をする能力を育てることができると言われています。
臨界期に英語を学ぶことで、日本語と一緒に英語も覚えていくことができます。
右脳の発達が促される
左脳は言語や計算、分析などの論理的な思考に使われる一方で、右脳はより感覚的で、デザインや音楽などの芸術的な活動などの視覚や聴覚を使ったイメージに使われると考えられています。
0歳から3歳までは右脳が優位に働き、3歳以降は左脳が優位になるため、右脳が発達する時期に適切に右脳教育を行うことが重要とされています。
英語で歌いながらダンスを踊ったり、英語のセリフを使った劇をするなど、視覚や聴覚を使った英語学習は右脳の発達に効果的です。
右脳が発達すると、直感力が高まり左脳もより効力を発揮できると考えられています。
英語の学習時間を増やせる
英語の習得には相当な学習時間を要します。そのため、早期に英語の勉強を始めることで英語の学習時間を増やすことができます。
アメリカの外交官養成局が発表した「外国語の研修成果と学習時間に関する資料」によれば、優秀な英語ネイティブの人が日本語を習得するためにかかった時間は2,400~2,760時間だとされています。
これを参考にすると、日本人が英語を習得するためには2,400時間以上かかるのではないかと考えることができます。
アルファベットで構成される英語に対して、日本語には漢字やカタカナ、平仮名もあるなどの違いもあるので、一概に日本語と英語を比較することはできませんが、一つの目安にはなるでしょう。
小学校の勉強がスムーズになる
幼児期に英語の勉強を始めておくことで、小学校の勉強にスムーズについていくことができます。
繰り返しになりますが、2020年からは小学校中学年から英語が必修となるため、小学3年生から早くも英語の授業が始まります。
早めに英語の勉強を始めて英語力の土台を築いておくことで、小学校の英語の授業にスムーズに入っていくことができるでしょう。
受験期に他の科目に集中できる
英語が苦手だと、高校受験や大学受験で英語が足を引っ張り、数学など他の科目の勉強もおろそかになってしまうという生徒も少なくありません。
中学受験では現在は英語は選択式の受験科目に留まっていますが、今後受験科目として必須になることも予想されます。
英語が得意になれば、英語の勉強に必要以上に時間を割く必要がなく、受験期に数学や歴史など他の科目に集中することができます。
早期英語教育のデメリット
早期英語教育にはたくさんのメリットがあることをご紹介しました。
しかし、早期英語教育にはデメリットもあり、やり方を間違えるとせっかくの英語教育が逆効果になってしまう恐れもあります。
どのようなデメリットがあるのかを知り、デメリットをカバーするための対策を考えてみましょう。
- 頭が混乱する
- 日本語の習得が遅れる
- 日本語に英単語が混じる
- やらされ感を感じる場合がある
- 遊ぶ時間が少なくなってしまう
- お金と時間がかかる
- 成長と共に忘れてしまう
頭が混乱する
日本語を学んでいる途中に英語も勉強することで、頭が混乱してしまう場合があります。
何か話そうとしたときに、日本語と英語どちらで伝えるべきか迷い、どもりがちになる子供もいます。
最近は日本でも国際結婚が珍しいものでなくなりました。例えば母親が日本人、父親が英語以外を母国語とする外国人という家庭も存在します。
そのような家庭で英語教育を取り入れた場合、日本語と英語、父親の母国語という3か国語を使い分けることになり、頭の中が常に混乱してしまう可能性もあります。
子供の頭を混乱させないよう、バイリンガル・トライリンガルの家庭では、家の中では日本語だけを話すなどメリハリをつけている場合もあります。
日本語の習得が遅れる
英語の勉強に熱心になるあまり、日本語の勉強がおろそかになると、日本語の習得が遅れてしまう恐れがあります。
日本語もままならないうちに英語もマスターしようと無理をして、英語も日本語も一定レベル以下の「ダブルリミテッド」状態になってしまうことは避けたいものです。
バイリンガルの子どもの動画ですが、「・・・?その日本語・・・」というところがあります。
日本在住で英語を習得したわけではないですが、参考に見てみて下さい。
(1:46~、2:42~)
日本の義務教育で国語の授業があるように、日本語を習得するためには十分な学習が必要です。
正しい句読点の使い方や、長文を読解する能力、漢字の読み書きなど、日本語をマスターするために覚えるべきことはたくさんあります。
正しい日本語をしっかりとマスターできるように、英語だけでなく日本語の勉強もきちんと出来るように意識しておく必要があることを覚えておきましょう。
日本語に英単語が混じる
乳幼児の頃から英語に触れていると、日本語と英語の区別がつかなくなり、日本語で話していても文章の中に英単語が混ざってしまうことがあります。
しかし、普通に日本で生活していれば、家族や友達と日本語でコミュニケーションをし、日本語の語彙が増えるにしたがって、このような問題は解消されていくでしょう。
やらされ感を感じる場合がある
乳幼児期から英語を始める場合は、英語の勉強をやらせようという親の意思がきっかけであることがほとんどでしょう。
子供も英語を楽しんでいれば問題ありませんが、本当はやりたくないと思っている場合は「やらされ感」を感じてしまうことがあります。
無理に続けさせようとすると、英語が嫌いになってしまう場合もあるので注意が必要です。あくまで子供が自主的に楽しめるような環境づくりを心がけることが大切です。
遊ぶ時間が少なくなってしまう
英語の勉強に時間を費やしすぎると、好きなおもちゃで遊んだり、公園で走り回ったり、絵を描いたりといった遊びの時間が少なくなってしまう恐れがあります。
従来は読み書きや計算といった測ることができる能力が重視されがちでしたが、最近では「非認知能力」が注目を集め始めています。
子供は自分で面白い遊びを見つけると集中して遊びます。このような遊びによって自然と主体性や頑張る力が育ち、非認知能力が高められます。
子供らしい遊びの時間を確保することは、非認知能力を伸ばすために大切なことなのです。
英語の勉強の時間はバランスを考え、子供らしい遊びの時間も十分確保できるようにしましょう。
お金と時間がかかる
早期英語教育には後ほどご説明するとおり、英会話教室や英語教材などさまざまな方法があります。
英会話教室に通う場合は、教室に支払う月謝などがかかりますし、家庭内で学習する場合でも英語教材などを使う場合はそれなりの出費が必要になります。
さらに、英語教室に通う場合は、教室で勉強する時間や送り迎えの時間などもかかるのです。
専門的な教育になればなるほど、教育を受けるためのお金と時間がかかるため、限りあるお金と時間を何に優先して使うのか、よく検討する必要があるでしょう。
成長と共に忘れてしまう
せっかく英語を勉強しても、継続しなければだんだん忘れていってしまいます。
インターナショナルスクールに通うなど特別な場合を除いて、普通に日本で生活していると英語を日常的に使用する機会は決して多くありません。
おのずと日本語中心の生活になり、英語を忘れてしまうことが多いのです。
英語力を伸ばし続けたい、英語を忘れさせたくないという場合には、意識的に英語と触れ合える機会を作り続ける必要があります。
早期英語教育の方法
ここまで早期英語教育のメリットとデメリットを見てきました。ここからは具体的に早期英語教育にはどのような方法があるのかご紹介します。ご家庭にはどの方法が合いそうか、参考にされてみて下さい。
英会話教室
英会話教室はスタンダードな英語学習の方法として知られており、英語学習といえば英会話教室というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
英会話教室には大人向けだけでなく、乳幼児や小学生向けにも多彩なコースやクラスが用意されています。
人気の英会話教室には下記のような教室があります。
CMや広告を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
人気の英会話教室
胎教クラス | 妊娠5か月~9か月の母親を対象。 お腹の赤ちゃんに心地よい英語の音を聴かせることができます。 |
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乳児向けクラス | 親子のスキンシップやリズム遊びなどを通して、楽しく英語に触れることができます。 グループレッスンなら、子供や親同士の交流の場にもなるでしょう。 |
幼児向け | 好き嫌いも出てくる時期なので、歌やゲームを通して楽しく英語を学べるように工夫が凝らされています。 パソコンの英語学習ソフトを活用し、パソコンの操作方法に親しめるクラスもあります。 |
シーズンセミナー | 春休み・夏休み・冬休みに集中して学習を行うシーズンセミナーが用意されている英語教室もあります。 限られた時間を有効に活用することができるでしょう。 |
保護者向けクラス | 子供の英語学習の理解を深めたいという人も英語力を磨くことができます。 |
講師は日本人と外国人どちらが良いのか?
日本人講師か外国人講師かを選べる英語教室もあります。
日本人講師は日本の子供の心理や学習特性を理解し、きめ細かな対応ができるメリットがあると言われています。
外国人講師の場合はネイティブの生きた英語に触れ、より実践的な英語を学べるメリットがあり、日本人か外国人がどちらが良い・悪いというのはありません。
子どもの性格や英語を習得させたい目的を考慮した講師の選択をしましょう。
英会話教室の費用の目安は?
英会話教室の費用は週1回、1時間弱のグループレッスンで1万円程度が目安です。
マンツーマンのプライベートレッスンや、ネイティブの外国人教師を希望する場合はさらに高くなります。
英会話教室はそれぞれの目的に合ったコースやクラスを選び、きめ細かな指導を受けられることが魅力です。
英会話教室の費用を捻出できる人は、検討してみると良いでしょう。
英語教材
子供用英語教材には、絵本、CD、DVD、アプリなどさまざまな種類があります。人気の英語教材には下記のようなものがあります。CMや広告で目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
人気の英語教材
- すまいるぜみ
- HAPPY ENGLISH(ハッピーイングリッシュ)
- 世界の七田式英語教材7+BILINGUAL【七田式】
- ディズニー英語システム
いずれもDVDや絵本、おもちゃなどを使って楽しく英語を学ぶことを目的としています。
無料サンプルを利用できる場合が多いので、まずは何か早期英語教育を試してみたいという人にはぴったりです。
通学の手間もかからないですし、忙しい共働き家庭でも無理なく続けていくことができるでしょう。
幼児向けの英語教材ランキングを知りたい方は、こちらの記事も参考に読んでみて下さい。
おすすめ英語教材ランキング2020!英語教材を徹底比較した結果
英語教材の費用の目安は?
ディズニー英語システムなどの買い切りタイプの教材は20万円以上するものが主流で、フルセットで揃えると100万円程度かかります。
こどもちゃれんじEnglishなどの毎月届くタイプの教材は、1か月3000円程度です。
英語教材にはさまざまな種類があり選択肢が多いため、予算に合わせて選ぶことができます。
兄弟がいる場合は使いまわしもできて経済的でしょう。費用を節約したい場合は、図書館で英語の絵本を借りてきて読み聞かせをすればお金がかかりません。
ただし、教室のように毎週決まった時間に行うという制約がないので、習慣化できずに中途半端に終わってしまう可能性があります。
毎日英語の勉強時間を決めるなど、意識的に英語の学習を継続できるよう工夫する必要があるでしょう。
オンライン英会話
最近注目を集めているのが、子供向けのオンライン英会話です。
自宅のパソコンやタブレットなどを利用して、好きな時間に先生と一対一で英語で話すことができます。
人気のオンライン英会話
インプットの英語教材とは反対に、オンライン英会話では先生と1対1で対話するアウトプットの機会が得られます。
楽しんでコミュニケーションができるようになれば、より実践的な英語力が身につくはずです。
都合の良い時間に自宅で受講できるため、送り迎えの手間がいらず、忙しい共働きの家庭でも無理なく続けることができるでしょう。
オンライン英会話の費用の目安は?
オンライン英会話の多くは1回約25分のレッスンがほとんど。
週1回で3000円程度、1日1回で7000円程度です。英会話教室と比べると、考えられないような安さを実現しています。
ただし、オンライン英会話の先生は、海外経験のある日本人やフィリピン人など、英語を母国語としない非ネイティブであることが大半を占めています。
ネイティブの英語にこだわる人は、ネイティブの先生が在籍しているオンライン英会話を選ぶと良いでしょう。
プレスクール
プレスクールではバイリンガルの日本人保育士と、ネイティブの英語講師が一緒に保育を行う場合がほとんどです。
英語講師は欧米出身のネイティブが主流ですが、多様化するグローバル社会を見据え、英語を公用語とする講師を世界各国から採用しているスクールも増えてきています。
就学前の子供が、毎日英語で園生活を送ることができ、英語力を身に付けることはもちろん、将来的に世界で活躍できるコミュニケーション能力や教養を育むことを重視しています。
プレスクールでは一般的な保育園よりも教育的カリキュラムを重視していることが多く、名門市立小学校に入学を目指す子供が通うようなスクールもあります。
インターナショナルスクールに併設されている場合もあり、そのようなスクールではさまざまなバックグラウンドを持つ世界各国の子供たちと共に学び、日本にいながらにして国際色豊かな経験を積むことができます。
プレスクールの費用の目安は?
プレスクールはそれぞれのスクールによって費用の差があります。
安いスクールであれば月6~7万円程度と、一般的な私立の幼稚園や認証保育園に1~2万円上乗せした程度の金額で通える場合もあります。
高めのスクールの場合は15万円~30万円程度が目安になります。
保育・教育内容と予算感をバランスよく検討し、無理のない範囲でスクール選びができると良いでしょう。
インターナショナルスクール
インターナショナルスクールとは、日本に在住する外国籍の子供のための教育施設で、学校教育法で定める学校ではなく、「各種学校」と位置付けられています。
現在では日本人が入学できるスクールも増えており、帰国子女が英語力を維持するために入学したり、日本育ちの子供でも欧米の教育文化や国際的英語力の習得を求めて入学するケースもあります。
また、各学校で独自の入学基準が設けられており、新設のインターナショナルスクールであれば、英語面接が実施され一定の英語力を満たせば入学できる場合もあります。
老舗のインターナショナルスクールの場合は、子供の国籍や英語力だけでなく、保護者についてもネイティブ並みの英語力が求められることがほとんどです。
インターナショナルスクールでは当然英語で授業が行われるため、高い英語力が養われますが、注意点があるのでしっかりと確認しておきましょう。
- 学校教育法で定める学校でないため、小中学校の義務教育を履行していないと認定されてしまう。
- インターナショナルスクールの高校を卒業しても大学を受験するには大検を受けなければならないケースがある。
- 十分な英語力がないと授業について行けず、子供がつらい思いをする可能性もある。
インターナショナルスクールの費用の目安は?
スクールによって費用の差はあるものの、一般的には学費だけで年間200万円程度が目安となります。
義務教育が無料であることを考えると、かなり高額な学費といえるでしょう。
そのため、裕福な家庭の子女が通っていることも多く、広尾や麻布など高級住宅地や外国人が多く居住するエリアに設けられていることもあります。
しかし、多くのインターナショナルスクールでは一般公開のイベントやオープンデーが設けられています。
インターナショナルスクールに興味を持たれた方は一般公開の日に実際に足を運び、学校の雰囲気を感じてみましょう。
早期英語教育はいつから始めたほうが良いか
英語教育は、遅くとも9~10歳までの脳の発達が盛んな臨界期までに始めると良いでしょう。
さらに、言葉を覚える2~3歳までに英語を始めれば、正しい英語の発音を聞き分けられる「英語耳」を育てられる可能性が高くなります。
また、小学校の英語教科化に伴い、今後中学受験の科目に英語が加わることも想定されますので、中学受験を考えているご家庭では計画的な準備が必要となるでしょう。
早期英語教育で心がけたいポイント
英語への抵抗がなくなる、正しい発音やリスニング能力を養えるなどメリットの多い早期英語教育ですが、やり方を間違えると子供が英語を嫌いになってしまうこともあります。
ここでは早期英語教育を行うにあたって心がけたいポイントをご紹介します。
早期英語教育のポイント
- 過度な期待をしない
- 子供の自主性を尊重する
- 親も一緒に楽しむ
- 英語の勉強を継続する
過度な期待をしない
過度に期待をすると、結果が出ないことに親が焦り「どうしてできないの!」などと責めてしまうこともあります。
子供からすると、「別に自分がやりたいって言ったわけじゃないのに・・・」とやらされ感を感じ、英語は面白くないと感じるだけでなく、プレッシャーやストレスをも感じさせてしまいます。
早期英語教育を成功させるには、楽しみながら英語に触れてもらうことです。
子供が楽しめるように環境を整えたり言葉がけをしながら、優しく見守るようにしましょう。
子供の自主性を尊重する
英語に限らず、物事を上達するためには子供の「もっとやりたい!」という気持ちが大切です。
英語の勉強を押し付けるのではなく、子供から積極的に取り組みたくなるような工夫ができると良いですね。
例えば、子供の興味関心に合わせて勉強の素材を選ぶことはとても効果的でしょう。
「英語の勉強って楽しい!」と思えるようになれば、「もっとこんな勉強をしてみたい!」と自ら提案できるようになっていくでしょう。
親も一緒に楽しむ
小さな子供は親と一緒に遊ぶのが大好きです。英語の勉強も子供と一緒に楽しみましょう。
絵本を読み聞かせたり、一緒に歌やダンスをしたり、親が一緒にできることはたくさんあります。
最近は共働き家庭も増え、親が子供を預けてお任せできる英会話教室やプレスクールも多くありますが、そのような場合でも、寝る前に英語の絵本の読み聞かせを習慣にするなど、短い時間でも親子で英語を楽しむ時間を作れると良いですね。
親子の絆は子供に自信を付け、より積極的に英語に取り組めるようになるでしょう。
英語の勉強を継続する
子供が成長するにつれて、幼稚園や小学校の行事が増えたり、お稽古事が増えたりして忙しくなることもあるでしょう。
すると英会話レッスンに通えなくなってしまったり、せっかく用意した英語教材も押し入れで眠ったまま・・・なんていうこともあります。
英語はせっかく勉強しても継続しなければどんどん忘れてしまうため、意識的に英語の勉強を続けていく必要があります。
また、寝る前に英語の絵本の読み聞かせを習慣にするなど、それぞれのご家庭に合わせて無理なく英語を続けられる方法を考えてみましょう。
早期英語教育は継続がポイント!無理なく楽しく英語を勉強しよう
早期英語教育のメリットとデメリットについてご紹介しました。
早期英語教育は正しい英語の発音や、日本語にはない英語の音を聞き分ける「英語耳」を育てることができ、将来子供がグローバルに活躍できる大きな手助けとなります。
しかし、せっかく乳幼児期から英語の勉強を始め、高いお金をかけて教室に通ったり教材を用意しても、継続しなければ忘れていってしまいます。
日本の日常生活では、意識しなければ英語を使う機会は多くありません。
英語の勉強は継続することが大切です。
現在はオンライン英会話が急成長するなど、英語教育の手段は多様化しています。
かかる費用や手間もご家庭の事情に合わせさまざまな選択肢があります。
子供の成長に合わせて、子供も親も無理なく楽しく英語の勉強を続けられる方法を見つけていきましょう。