クリニックで働く看護師のメリット・デメリット

クリニックの看護師

今の仕事がきついので、クリニックに転職してみたい…
看護師さんであれば、そう考えた経験がある方も多いのではないでしょうか。

私も病棟でナースをしているとき、ずっと「クリニックで働きたい!」と思いながら、日々を過ごしていました。

クリニックでの勤務は「夜勤が無いので楽そう」「土日休みが魅力的」など、メリットだらけの印象がありますよね。

しかし、クリニックならではのデメリットも多くあるのも現実。
そのため実際にクリニックで働いてみると、「思ってたのと違う!」となってしまうパターンも少なくありません…。

そこで今回は「看護師がクリニックで働くことのメリットとデメリット」についてご紹介していきます。

経験談や、周囲の看護師と話して感じたことを基に考察しています。

ここでお伝えする内容が全てのクリニックに当てはまる訳ではありませんが、「看護師としての働き方に悩んでいる方」参考にしていただければ幸いです!

クリニックで働く看護師の仕事内容

クリニックと一言で言っても、診療科や規模によって業務内容も変わってきますよね。その中でも共通している業務内容は、「診療の補助」です。

外来診療をメインとしているクリニックが多いため、看護師は「採血や注射、検査の補助」などの診療業務を行います。

院長の考えている方針やクリニックの特色によってやり方も大きく変わってきますが、業務内容の一例として以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 医師の指示の下での医療行為(注射や点滴、傷の処置等…)
  • 医師の指示の下での検査(血液検査の為の採血、レントゲン撮影の補助等…)
  • 診察中の介助(物品を医師に渡す、患者さんの体位や衣類を整える、医師が行う処置中の介助等…)
  • 患者さんへの指導(薬の飲み方や自宅に帰ってからの過ごし方等、必要な情報を提供する)

このようにクリニックで働く看護師は、「診察の介助をしている」という印象が強いのではないでしょうか。

しかし、実際には診察の介助以外にも多くの業務を行います。
診察前の問診や、バイタル測定を行って「診察前に医師へ報告」したり、場合によっては受付業務や院内の掃除まで行ったりすることも。

私の周りには、「雑用業務が多すぎて嫌になった」と言っている看護師も居るほどです。

大きな病院であれば、清掃職員がいたり、看護助手さんがいたりしますよね。しかしクリニックではそのような看護業務以外の仕事も、看護師が請け負う場合が多いのです。

クリニックで働くことのメリット

前項ではクリニックで働く看護師の役割をお伝えしました。病棟などでの勤務とは違い、業務内容も独特であることがお分かりいただけたと思います。

そんなクリニック勤務ならではの「メリット」について、私が感じたことを基に考察してみました。

メリット
  • 基本的に日勤業務のみである
  • 昼休みをしっかり取ることができる
  • 年末年始やGWなどの連休も確保できる
  • 急変する患者さんが少ないためプレッシャーが少ない
  • 医院によっては専門分野の医療を身近で学ぶことが可能
  • 地域に密着した看護を提供できる

上記についてひとつずつ解説していきます。

基本的に日勤業務のみである

カレンダー
病棟や介護施設での勤務は、シフト制で夜勤がある所も多いですよね。ですが、なんといっても多くのクリニックでは夜勤がありません。

不規則な勤務で生活していると、どうしても体調は乱れがちです。
それが「朝出勤して夜までに帰る」という毎日になると、身体への負担は少なくなります。

病棟勤務時代は「夜勤がしたい!」というタイプの先輩も居ました(お給料もいい為)。
しかし私は「体力的に夜勤がつらい…」と感じるタイプでした。

クリニックは病棟ほどの体力消耗が無かったため、大きなメリットだと感じています。

また夜勤によって「家族との時間が削られている…」と悩んでいる方も多いですよね。
夜勤が無いと家族と過ごせる時間も増えたため、家族でのパーティやお出かけがしやすくなったのはとても有難かったです。

「看護師」の仕事をしつつも、規則正しい生活を送ることができるのは大きなメリットであると感じています。

昼休みをしっかり取ることができる

昼食
病棟勤務であれば多くの場合、お昼休みは1時間程度なのではないでしょうか。(私の場合は1時間の休憩があっても、業務が終わらず「20分しか休めない!」なんてこともザラでしたが…。)

それがクリニックだと、お昼休みが長いところが多いのです。

例えば午前の診療が12時までだとして、午後の診療が14時半からだとします。そうなると、2時間程度休憩することも可能に。

さらに私の経験したクリニックでは、「お昼休み中抜けOK」とされていました。お昼の時間に自宅に戻るスタッフも多かったですし、買い物や銀行に用を済ませにいくこともできました。

特に主婦の方にとっては、仕事終わりにお買い物をするのも一苦労ですよね。それが休憩時間にササッとすませることができる点は、非常に魅力的なポイントではないでしょうか。

年末年始やGWなどの連休も確保できる

GW
基本的にクリニックは、年末年始やGWなどはお休みのところが多いと思います。
(入院可能な施設であったり、祝日や夜間も開いていたりするクリニックは当てはまらないかもしれないですが…)

私の勤めていた病院は、「若手が長期休暇の時期に休みを取ると、陰で悪口を言われる」ことがありました。

そのため年末年始・GW・お盆などは非常に休みを取りづらかったのです…。

しかし、クリニック自体が休みの日であれば罪悪感無く休むことができます。

家族や友人との休みも合いやすくなるので、「やっぱり周囲と休みが一緒なのは利点だな」と感じました。

プレゼントをもらえることもあった

プレゼント
これは私の周りだけかもしれませんが…
誕生日になると院長や院長婦人に「プレゼント」をもらえるという所もあります。

友達の経験談ですが、スタッフの誕生日になると飲み会を開催してくれたり、美味しいお菓子や素敵な雑貨を用意してくれたり…ということがあったのだとか。

飲み会などが得意ではない人にとっては魅力的ではないかもしれませんが、プレゼントを頂けるのは嬉しいですよね。

しかも医師からというだけあって、「これ、頂いて良いのですか?!」となることもあったようです。

決して全てのクリニックでプレゼントがもらえるという訳ではありませんが、「アットホームな雰囲気」はクリニックならではのメリットと言えるでしょう。

急変する患者さんが少ないためプレッシャーが少ない

患者の急変
特に急性期の病棟で働いている看護師さんは、「患者さんの容態急変」に遭遇することも多いのではないでしょうか。

私はこの「急変対応」がすごく苦手でした。
一刻を争う状態の患者さんを目の前に、迅速かつ的確な判断で対応することが、凄く大きなプレッシャーだったのです。

一方クリニックでは、ほとんど患者さんの急変対応に関わることはありません。
可能性はゼロとは言い切れませんが、病棟で働く場合よりも確率は低いでしょう。

こういった重圧に毎日追われることもなくプレッシャーが少なかったのは、クリニックで働く際のメリットだと感じます。

医院によっては専門分野の医療を身近で学ぶことが可能

クリニックの一部には、各科目で「専門性の高い最先端の医療」を提供しているところもあります。

このようなクリニックで勤務することになれば、専門性の高い医療を近くで経験することも可能になるでしょう。
それに伴って、看護師はその分野に合った看護技術や知識の勉強が必要になります。

自分の得意・好きな分野での看護を提供したいという強い思いを持っている方もいらっしゃると思います。
そういった方にとっては「専門性を高める必要がある」という点が、1つのメリットになるのではないでしょうか。

自分が興味のある分野のクリニックに勤めて知識と技術を身に着けるという方法も、1つのキャリアアップの手段といえます。

地域に密着した看護を提供できる

クリニックにやってくる患者さんの多くは、基本的に「その地域に住んでいる人」です。

住み慣れた地域での看護を提供することができるため、「患者さんとのコミュニケーションが楽しい」という点にやりがいを感じる看護師も多いです。

いつも来院されている患者さんが「今日は〇〇に買い物に行って~」とお話をしてくださったり、「毎日お疲れ様~」と声を掛けてくださったり…というのも、クリニックならではの楽しい点だと感じました。

また、同じ地域に住んでいる患者さんとだからこそできる会話もありますし、休みの日にバッタリ会うといったことも。

患者さんと信頼関係を構築しやすいというのも、メリットの1つなのではないかと感じます。

クリニックで働くことのデメリット

上記では、私が考えるメリットについてご紹介しました。
良いことが多いようにも感じられますが、クリニックならではのデメリットもしっかりあるのです。

次は、私がどんな所にデメリットを感じたかを具体的にご紹介していきます。

デメリット
  • スタッフの数が限られているため休みにくい
  • 看護師1人に任される業務の幅が広い
  • これまでのキャリアを問われることが多い
  • スタッフとの相性が悪いと居づらくなってしまう
  • お給料が少なくなる可能性がある
  • 混み合うと患者さんに怒られることもある

その方の特性やクリニックによってさまざまなのは事実ですが、私は上記の点がデメリットだと感じました。

体験談などを交えて、1つずつ解説していきます。

スタッフの数が限られているため休みにくい

勤務表
病棟などに比べると、クリニックは看護師の数が少ないことが多いです。
そのため少人数で仕事をまわしている所も少なくありません。

1人休んでしまうと代わりの人を見つけるのも難しくなってしまいます。
スタッフの数が多い所であればこの限りではないかもしれませんが、欠員が出た場合は他のスタッフ同士で助け合って仕事をまわす必要が出てきます。

そのため「なんだか今日は体調が悪い…」「子供が急に体調を崩してしまった…」という時に、休みにくいというデメリットが出てきます。

もしクリニックで勤務したいと考えている場合は、あらかじめそのような事情を相談したり、より一層体調管理を万全にしたりする必要があるでしょう。

看護師1人に任される業務の幅が広い

看護師
先ほども少し触れましたが、クリニックで働く看護師は多くの業務をこなしています。

問診からバイタルサインの測定、診療の補助、医師の指示の下での医療処置等…このような基本的な看護技術を行います。

これら1つ1つの処置などに時間がかかりすぎてしまうと、診察がスムーズに行われなくなってしまう場合もあります。混雑している時間帯であれば尚更、的確さと迅速さが求められます。

多くの業務がある中で、自分から主体的に判断して行動できる能力が求められると言えるでしょう。

時間帯等によっては、先輩や医師にすぐに質問できないという状況もあり得ます。

そのため「自分の判断で行動することが苦手」という方にとっては、業務の幅広さがデメリットになる可能性もあります。

それ以外にもクリニックによっては「清掃や事務作業」「医療機器を清潔にする」などの雑務をすることも日常茶飯事。

実際に「雑務が多くて嫌だ」と言っていた友達もいましたので、こういうことを苦に感じるタイプの方であればデメリットになるかもしれませんね。

これまでのキャリアを問われることが多い

私の経験上、クリニックの看護師は「基本的な看護技術ができて当たり前」と考えられている部分があるように感じました。

新卒でクリニックに就職したという友達も居ますので、一概には言えませんが…。

求人を見ても、「現場経験3年以上」などの条件を設けている所も多く存在しました。

私自身「経験不問」と書いてあったクリニックの求人に応募した経験があります。しかし「現場経験が少ないようなので…」と落とされてしまいました。

クリニックは病棟に比べると「新入スタッフへの指導に使うことができる時間」も限られているように感じました。

このように「即戦力」を求めている為に、「キャリア重視」としているクリニックが多いといえるでしょう。

経験の浅い若手看護師さんや、ブランクがある看護師さんなど、
「看護技術にやや不安がある」という場合は、デメリットを感じてしまうかもしれません…。

スタッフとの相性が悪いと居づらくなってしまう

看護師
病棟や大きな規模の施設であればシフト制であることが多いので、ある程度広いコミュニティでの人間関係になります。

その点クリニックでは限られた人数での仕事になるため、毎日同じスタッフと顔を合わせることが多いです。つまり、限られた小さいコミュニティでの人間関係を構築していくことになります。

そこでスタッフとの人間関係がうまく行かなかったり、院長と合わなかったりすると、働きづらさを感じてしまうことになるのです…。

またスタッフが少ないほど関わりは密接になりやすいでしょう。
例えば「家族構成」や「子供がどこの学校に通っているか」等々、踏み込んだ質問をされることも充分有り得ます。

また、1人だけで中途入職した場合は「出来上がっているコミュニティ」に新たに入っていくことになります。

そのような環境で上手くやっていくことに不安を感じる人にとっては、「人数の少なさ」をデメリットに感じる可能性が高いと考えられそうです。

お給料が少なくなる可能性がある

給料

 

看護roo!の「看護師さんの給料明細一覧」を参考に計算してみると(2019年12日現在の計算)

常勤(夜勤あり)×病棟勤務の平均年収は4,801,072円となりました。
それに対して、日勤常勤×外来の平均年収は3,984,604円との計算結果に。

差額を計算すると、816,468円。
年収にすると80万円近くの差があることがわかります。

もちろん雇用形態や医院の経営方針などによってお給料もさまざまではあります。
ですが、夜勤が無いことや勤務の時間などにより、クリニックに転職した際にお給料が低くなる可能性は高いです。

「お給料が低くなってもクリニックの業務の方が良い」という方もいらっしゃるかもしれません。
反対に「バリバリ働いて稼ぎたい!」という方にとっては、給与面がデメリットの1つとなりそうですね。

混み合うと患者さんに怒られることもある

私の経験上、クリニックではどうしても「混み合う時間」と「ゆったりした時間」の波があることが多かったです。

その中でも「混み合う時間」になると、どうしても患者さんは長時間待たされることになってしまいます…。

実際仕事帰りなどの時間に受診した際「すごく混み合っていて1時間も待たされた!」という経験を1度はしたことがあるのではないでしょうか。

やっぱり待たされている側としては「早くしてほしい」「イライラする」という感情が発生してしまうこともありますよね。

なので中には「何分待たせるつもりだ!」と、お怒りになられる患者さんも居るのが現実。

こういった患者さんへの対応も、看護師の業務の1つになってきます。
クレーム対応に苦手意識がある方にとっては、「患者さんに怒られるリスク」がデメリットの1つになると言えるでしょう。

クリニックでの勤務が向いているのはどんな人?

ご紹介したメリット・デメリットを基に「クリニックでの業務が向いている人はどんな人か」を考えてみました。

経験をもとにした考察のため、あくまでも個人的な意見にはなりますが、1つの参考にしていただければ幸いです。

基本的な看護技術に自信がある方

やはりなんと言っても、基本的な「採血・注射・点滴・傷の処置」など、基本的な看護業務が身についている方ではないでしょうか。

特に経験のある診療科であれば「これまで身に着けた知識と技術」を業務に活かすことができます。
即戦力になれる看護師さんであれば、クリニックでも重宝してもらえる可能性が高いです。

自分から主体的に動くことができる方

クリニックでは病棟などとは違い、「何でも上司に質問できる状況」が常にあるとは限りません。
そのため自分から仕事を見つけて、正確に判断し、行動に移す力が重要になります。

看護師が1人で行う業務にも幅があります。主体的に動いて仕事をテキパキとまわすことができる人は、クリニックでも活躍できることが期待されます。

プライベートも優先させたい方

クリニックでは基本的に夜勤業務が無く、日曜・祝日休みのことが多いです。

そのため「家族や友達との時間を大切にしたい」と考えている方には魅力的な働き方ですよね。

「夜勤で不規則な生活になり、家族との時間が確保できていない…」
そんな風に悩んでいる方は、クリニックでの勤務を視野に入れて考えてみるのも、選択肢の1つではないでしょうか。

クリニックが自分に合えば最高の働き方

今回は「看護師がクリニックで働くことのメリット・デメリット」についてお伝えしてきました。
多くのメリットがある反面、実際にはデメリットがあるのも事実です。

また、クリニックは「院長の考え方や経営の方針」もあるため、そこによってやり方は千差万別であることがお分かりいただけたと思います。

そして何より、私にとっては「メリット」と感じることでも、「他の人にとってはデメリット」になることもあるでしょう。

私はクリニックでの仕事を「その方の特性や職場によって合う・合わないが大きく分かれる」ものだと考えています。

「病棟勤務が大変だからクリニックで働いてみたい」と思う気持ちも、とても理解できます。

ですが、クリニックで働く際のデメリットや自分が合うかどうかについては、慎重に考える必要があると思います。

今回お伝えしたことが、悩んでいる方にとって少しでも参考になれば幸いです。