「やっててよかった公文式!」や「くもん、いくもん」のCMでもおなじみの公文式教室。
全国に16,000ヵ所というトップクラスの教室数ですが、子どもに英語を習わせるとなるとヤマハ英語教室やECCジュニアなど色々な教室があります。
子どもに公文で英語を習わせたいと考えているご家庭では、
「公文英語って普通の英会話教室と何が違うの?」
「公文英語のメリットとデメリットって?」
「本当に公文英語で英語が喋れるようになるの?」
という疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、公文へ子どものころ通い、大学生のころ講師として働き、最近まで子どもを通わせていた私が、リアルな公文英語のメリットとデメリットを詳しく紹介しましょう。
公文英語を習わせる意味はあるのか
公文英語を習う必要があるかどうかは一概に正解があるわけではなく、「なぜ英語を勉強したいのか」という目的や子どもの個性などによっても変わってきます。
私は子どもの頃に公文英語に通っており、相性が良かったため英会話がメキメキ上達していきました。
しかし、同時期に入会した同年代のお友だちは公文が合わず、すぐに退会してしまいました。合う・合わないは、実際に体験してみなければわかりません。
「公文の英語って習わせる必要はあるの?」と少しでも思うのであれば、一度、無料体験させてみてはいかがでしょうか?
百聞は一見に如かずです。
入会金も無料なので、実際にやってみて合わなければ辞めてしまっても大きなリスクはありません。
公文英語とは?
公文英語は一般的な英会話教室や学習塾とは違い、やさしい問題から高度な問題へ少しずつ難易度が上がる「スモールステップ」という独自の学習スタイルを採用しています。
具体的には、まず入会時の学力診断テストを参考に、プリントで100点を取れるレベルの進度から始めます。
そのあと、100点が取れたら次のレベルのプリントに進み、できない場合は同じプリントを100点が取れるまで何回も解くというスタイルです。
公文英語の教材の特徴と費用
公文英語は、国語や算数と同様に公文が独自開発したプリントに加えて、専用リスニング機器「E-Pencil」を使った学習が中心となります。
公文英語ではプリントやペンを使って、英語の発音や読み書きを学ぶことができるのです。
次に、費用に関してお話しましょう。
入会金は無料で、月謝は通う教室の地域によって異なっています。
月謝にはプリントなどの教材費が含まれますが、E-Pencil代に関しては別途6,600円(税込)が必要です。
幼児・小学生 | 中学生 | 高校生以上 |
---|---|---|
7,700円/月 | 8,800円/月 | 9,900円/月 |
幼児・小学生 | 中学生 | 高校生以上 |
---|---|---|
7,150円/月 | 8,250/月 | 9,350円/月 |
公文英語のメリット
公文についての基本的なポイントを理解できたところで、ここからはいよいよ公文英語のメリットについて見ていきましょう。
- 基礎学力と自主性が身につく
- インプットの量が多い
- 自分に合ったレベルで進められて退屈しない
- 自宅のペースで勉強できる
- 勉強を習慣化しやすい
- 達成感によって自信がつく
- 月謝が安い
- 近所の教室に通いやすい
- 通う時間が自由
- 無料体験ができる
- 何歳からでも始められる
- 英検受験に役立つ
- 様々な海外文学に触れられる
- 全国順位が分かりモチベーションがアップする
基礎学力と自主性が身につく
公文では100点が取れて確実に理解できるようになってから進度を上げていくので、基礎学力をしっかりと身に付けることができます。
反復学習によって、正しいスペルのつづりや文法などの英語基礎を徹底的に体に覚えこませることができるのです。
一方、学校での勉強では全員同じスピードで勉強が進んでいくので、スペルミスをしていても授業を進めていくしかありません。
また、英会話教室では「話せる」ということが重視されため、スペルや文法といった基礎についてはおろそかになってしまうことも少なくありません。
公文ならば英語の基礎となる土台をしっかりと築いたうえで、より応用的な内容に進んでいくことができるのです。
さらに、自分一人でプリントを解くスタイルなので、自らプリントに取り組む自主性が身に付きます。
「プリントばかりで飽きてしまわない?」と心配になるかもしれませんが、満点をとってからでないと次のレベルに進めないので、100点が取れると嬉しくなり「次もやりたい!」と、子どもたちは頑張ってくれるのです。
すると、どんどん次のプリントを解きたくなり、おのずと自主性が身に付いていくのです。
インプットの量が多い
公文は大量のプリントをこなすため、インプットの量がとにかく多く、まるで英語のシャワーを浴びているような感覚になるでしょう。
初めのうちはAppleやPencilなどのカンタンな英単語を可愛いイラストと一緒に覚えていくことから始まるので、無理なく一つずつ覚えていくことができます。
これを繰り返すことにより、語彙力が豊富になるのです。
やがて、文法や長文読解へと進んでいきますが、同じ文法をたくさんの文章で応用したり、たくさんの海外文学作品を読みこなしたりすることで、正しい文法や長文をスラスラ読める力が身についていくでしょう。
自分に合ったレベルで進められて退屈しない
学校や学習塾などクラスの全員が同じレベルの学習をしていると、授業についていけない生徒や、逆に内容がカンタンすぎて退屈になってしまうなど、レベルに合わない生徒が出てきてしまいます。
学校や塾などで分からない・できない問題があっても、そのままにしてしまい、それが原因で勉強ができずに苦手意識を持ってしまうのです。
しかし、公文は100点が取れるまで同じプリントを繰り返し解くので、完全に理解できてから次のレベルに進みます。
さらに、教室では先生が生徒の学習の様子やプリントの進捗を見て、プリントのレベルや枚数を調整し、声かけをしたり、行き詰っているときにアドバイスをくれることもあります。
教室に通うことで、同じ教室に通う仲間と切磋琢磨しながら勉強していくこともできるでしょう。
自宅のペースで勉強できる
公文は週2回教室に通う日がありますが、勉強する時間や解くプリントの枚数などは自由です。
教室では、まず自宅で解いてきたプリントを提出し採点してもらい、その採点結果を見て先生が新しいプリントを渡してくれます。
「子どものペースで勉強できるというと、さぼってしまうのではないか・・・」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、プリント学習なので何枚解いたのか採点結果が何点だったのかをすぐ把握することができます。
そのため、必要に応じて声かけなどを行い、スムーズな学習をサポートすることができるでしょう。
勉強を習慣化しやすい
教室は週2回なので「次に教室に行くまでに宿題を終わらせておこう」と、プリントを解く習慣が付けやすくなります。
決められた枚数のプリントを3~4日で終わらせれば良いので、1日さぼってしまったとしても残りの2~3日でできるのです。
そして、調子が良い時は1日で終わらせてしまうこともでき「私ってすごい!」と自信になっていました。
「毎日決まった時間にこれだけやらなくてはならない」というのはプレッシャーになりがちですが、公文のように無理なく柔軟性の高い学習方法であれば、より勉強を習慣化しやすくなるはずです。
達成感によって自信がつく
「テストで点数が悪かった」、「授業についていけない」といったことが続くと、勉強に自信がなくなり勉強が嫌いになってしまうことも少なくありません。
しかし公文はプリントで100点を取れる簡単なレベルから始め、レベルが上がっても100点を取れるまで繰り返しプリントに取り組むので、「100点満点」を取る体験がたくさんできます。
繰り返し100点を取ることで、達成感を感じることができ自信につながるでしょう。
月謝が安い
公文英語の月謝は地域によって異なりますが、幼児・小学生の場合で7000円台です。
週2回教室に通うことができ、教材費込みでプリントやり放題であることを考えると、リーズナブルといえるでしょう。
入会費がかからないのも嬉しいポイントです。
近所の教室に通いやすい
勉強を身につけるには「継続すること」が大事です。
くもんの多くは住宅街にあります。近所のマンションなどに掲げられている公文の青い看板を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのため、くもんは子ども一人でも通いやすいか、ご家族が送り迎えしやすい距離で、本人もご家族も無理することなく勉強を継続できるのです。
継続して教室に通うためには、近所に教室があるというのは大きなメリットです。
通う時間が自由
公文の教室が開いている曜日と時間は、例えば「月曜と金曜のそれぞれ14時半から20時」というように決まっており、曜日と時間さえ守れば、教室へ通う時間は自由です。
未就学児の場合は14時~、小学生は学校が終わってからそのまま公文へ行くことができます。
教室で勉強する時間も自由ですが、英語のみの場合はだいたい最低30分ほどです。
週2回、近所の教室で30分ほど通うだけなら、それほど負担ではないでしょう。
無料体験ができる
公文では全ての教室で、いつでも教室見学を無料で受け付けているだけでなく、無料体験学習も頻繁に実施しています。
無料体験学習でできること
- 2週間で4回も実際に学習体験ができる
- 無料の学力診断テストが受けられる
- 教室の雰囲気がわかる
- どんな教材をどんな風に使っているかがわかる
- どんな先生がいるか見ることができる
無料体験をすることで、子どもに合いそうかどうか分かるので、ぜひ活用するようにしましょう。
何歳からでも始められる
公文は年齢制限がなく、何歳からでも始めることができます。
0歳から2歳までが対象の「Baby Kumon」もありますし、少数派ですが大学生や社会人で通っている人もいます。
何歳でも始めたい時にすぐ始められるのは大きなメリットですが、現在は早期英語教育のために小さいうちから通わせることが多いようです。
早期英語教育は、いつから始めたほうが良いのか、早期英語教育のメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考に読んでみて下さい。
早期英語教育のメリットデメリット!幼児からの英語学習は必要ないのか
英検受験に役立つ
公文英語は英検受験に強いことで定評があり、公文を始めて早ければ1~2年後に英検5級、2~3年後に英検4級を目指せるとされています。
例えば、小学1年生で公文英語を始め、小学生2年年生で中1レベルの教材へ到達し、英検5級に合格することも現実的なのです。
英検各級のレベル目安
- 英検5級・・・中学1年生相当
- 英検4級・・・中学2年生相当
- 英検3級・・・中学3年生相当
- 英検準2級・・・高校1、2年生相当
2018年の公文の独自調査によれば、英検3・4級小学生合格者のうち、実に1,7000人以上が公文の生徒となっており、5,000人以上がTOEFL Primary、TOEFL Juniorにチャレンジしているのです。
様々な海外文学に触れられる
始めは英単語を覚えることから始まる公文英語ですが、中学相当以上の教材になると物語の読解が増えてきます。
- 『不思議の国のアリス』
- 『シンデレラ』
- キング牧師『I have a dream』
- 『ヘレンケラー伝記』
日本文学だけでなく海外作品も多く、海外文学を楽しみながら英語の勉強ができるでしょう。
全国順位が分かりモチベーションがアップする
公文は各生徒が自分のペースで学習を進めていくため、学習進度はバラバラです。
さらに全国のトップクラスの上位進度者の進度が公表されています。
そのため、小学生にして大学相当の進度に進んでいるなど驚くような進度の子どもたちがたくさんいることを知り、モチベーションアップにつながることも少なくありません。
公文英語のデメリット
ここまで公文英語のメリットについてご紹介しましたが、残念ながらデメリットもあります。
公文英語のメリットについても理解しておき、デメリットをカバーする方法を検討してみましょう。
- 英会話の練習は別途必要
- 正しい発音を身に付けるのが難しい
- 教室によって当たり外れがある
- 先生の指導は期待できない場合がある
- 学校の成績アップには直結しない
- 英検のスピーキングテストで苦労する
- 長文読解は勉強できない
- 幼少期は共働き家庭だと通学が難しい
英会話の練習は別途必要
くもん英語では、英単語を覚えたり文章を読んだりといった読み書きの能力は、大量のインプットによって大きく伸ばすことができます。
しかし、英語を話すというアウトプットの機会が少ないため、英会話の能力を伸ばすのには別途練習が必要になるでしょう。
英語を話す機会をつくるだけでは、話せる能力が身に着くまでに相当な時間がかかってしまいます。
なぜならそもそも、口に出す英単語を「知らないと口からでない」からです。
英語力を会話で活かすためには、語彙力を身につけることと、英語を話す機会をたくさん持つことが必要不可欠です。
英会話能力を重視する方は、公文英語以外に英会話教室に通うなどして英会話の力をつけることを検討すると良いでしょう。
正しい発音を身に付けるのが難しい
公文英語ではE-Pencilでネイティブの発音を聞くことはできますが、自分がネイティブ発音ができているか確かめる方法がないといっても過言ではありません。
公文の先生は資格や指導経験が不要のため、中には英語が苦手という先生もいるからです。
すると、発音をチェックしてくれる人がいないので、間違った発音のまま覚えてしまうこともあります。
正しい発音が身に付かないと、「L」と「R」の発音の違いを正しく聞き分けたり発音できなかったり、「th」をうまく発音できなかったりします。
成長してから正しい英語の発音を身に付けるのは至難の業なので、小さいうちからネイティブと会話するなど正しい発音を身に付けられる機会を持つようにすると良いでしょう。
教室によって当たり外れがある
公文の教室は、地域に住む女性が教室を開くフランチャイズで、特別な資格や指導経験も不要なため、公文の先生になるハードルは決して高くありません。
ゆえに、教室によって先生の個性や、教室の雰囲気には違いがでてしまいます。
一般的にベテランで経験の長い先生の教室は大規模な傾向がありますが、良い公文教室選びができるように、チェックすべき点をしっておきましょう。
- 子どもと先生の相性は良さそうか
- 先生同士の仲は良いか
- 先生の褒め方は上手か
- 教室は清潔で整理整頓されているか
- 静かで集中できる雰囲気か
- 地域ママの口コミは良いか
- 週2回無理なく通える場所にあるか
最も重要視しなければならないのが子どもと先生との相性です。
先生は週2回の教室通いで必ず顔を合わせ、話をするので、子どもと合わないとストレスを感じて勉強に影響が出てしまうかもしれません。
教室の雰囲気や先生との相性は、教室見学や無料体験によってある程度なら把握することができますので、見学や無料体験をおすすめします。
もし通える範囲に何か所か教室がある場合は、一番合うと感じた教室を選ぶと良いでしょう。
先生の指導は期待できない場合がある
そもそも、公文は自分に合ったレベルの学習を自力で行えるようにするという教育理念であり、先生からの指導は重視していません。
公文の先生の主な仕事は、生徒の学習状況を確認し、プリントを配ることです。
もちろん、幼児や小学校レベルの学習内容であれば先生がアドバイスできることもあります。
しかし、生徒が先生に勉強の内容について具体的な質問をすることはほとんどなく、高校生以上の学習内容については先生からの充実した指導は期待できないと考えて下さい。
先生から直接指導を受けるような学習スタイルを希望する場合は、英会話教室や家庭教師、学習塾など他の手段を検討する方が良いでしょう。
学校の成績アップには直結しない
公文ではそれぞれの生徒にとってちょうどいい「スタートライン」からプリント学習を始めるため、学校の授業よりも遅れている進度からスタートする場合、学校のテストの点数がすぐに上がるということはめったにないでしょう。
とはいえ、公文英語を続けてくことで着実に基礎学力は養われていきます。
学校の学年よりも低い進度からスタートしたものの、やがて公文の進度が学校の進度を超え、学年トップとなる生徒も珍しくありません。
短期的な成果だけに注目するのではなく、長期的な成長を視野に入れて学習に取り組むようにしましょう。
英検のスピーキングテストで苦労する
前述のとおり公文英語は、英検筆記には強いですが、リスニングやスピーキングといった英会話能力については別途対策が必要になるます。
スピーキングテストに合格したいが、なかなか成果が出ないという場合、英会話教室に通ったり、オンライン英会話スクールを利用したりするなど、スピーキング対策を別途行うことが確実です。
長文読解は勉強できない
公文英語では進度が進むにつれて英語の長文にも取り組むようになりますが、長文の長さはあくまでA5サイズのプリント片面におさまる量です。
公文は短時間でのプリント学習を繰り返すスタイルなので、時間のかかる長文は公文との相性は良くないと言えるでしょう。
高校受験や大学受験では、さらに長い長文を読解する問題が出題されますので、そのような問題に対応するためには、英語教材や他の学習塾などで対策を行う必要があります。
幼少期は共働き家庭だと通学が難しい
公文の教室が開いているのは平日の午後で、遅くとも20時頃までのことがほとんどです。
土曜開所の教室はまれです。
そのため送り迎えが必要な幼少期は、共働き家庭では通学が難しいことがあるでしょう。
共働き家庭で幼少期の子どもを公文に通わせたい場合は、土曜開所の教室を探すか、送り迎えを担当してくれるファミリーサポートやシッターなどの利用を検討すると良いでしょう。
目的を明確にして上手に公文で英語を学ぼう
公文英語のメリットとデメリットについてご紹介しました。
公文英語は年齢に関係なく生徒の「ちょうどいい」レベルに合わせた学習ができ、「自学自習」の力を養うユニークな教室です。
自主的に英語の勉強に取り組み、何か問題があっても自力で解決できる力を養うことで、学校よりもはるかに高いレベルの学習内容まで進んでいくこともできます。
ただし、プリント学習によって英語の読み書きには高い学習効果がある一方、英会話能力やネイティブ並みの発音を身に付けるには公文英語だけでは難しい場合もあるでしょう。
英語の読み書きができるようになりたいのか、実践的な英会話能力を身に付けたいのか、英語を勉強する目的を明確にしましょう。
総合的な英語力を身に付けたい場合は、公文英語にプラスして実践的な英会話の機会を作ることも必要になってくるかもしれません。
公文の特性を活かして上手に利用しながら、高い英語力を目指していきましょう。