「レッドブル翼を授ける」という独特な世界観のCMが、印象的なエナジードリンクのレッドブル。飲んだことのある人も多いかと思いますが、飲み過ぎによる死亡説などの都市伝説も多く、ネガティブな印象を持っている人もいるかもしれません。
今回はそんなレッドブルの効果や、飲むことによって得られるメリット・デメリットについてご紹介していきます。
この記事の目次
レッドブルとは
コンビニやドラッグストアなどでよく見かけるレッドブル。おしゃれなエネジードリンクとしは販売されていますが、エクストリーム系イベントのスポンサーやF1チームなど多様な活動も行っています。
まずはそんなレッドブルに関する基本的な知識の部分から、ご紹介していきます。
レッドブルはタイで生まれた
レッドブルは世界160か国以上で販売され、通算52億本以上も売れている大ヒット商品ですが、タイ生まれであることはあまり知られていません。
世界で一番売れているエナジードリンクで、日本で発売開始になったときには、ちょっとした社会現象にもなりました。
レッドブルの面白いところは、販売する国の規制に合わせて成分を変えていることにあります。例えば他国ではタウリンが入っていますが、日本ではタウリンが医薬品扱いになるのでそれを含まずに、清涼飲料水として店頭に並んでいます。
レッドブルの作用は栄養ドリンクとは違う
これらの成分の働きはのちほど紹介するとして、レッドブルはほかの栄養ドリンクとどう違うのかという話をしていきます。
レッドブルの起源となったのは日本の栄養ドリンク「リポビタンD」です。レッドブルとリポビタンDは味も似ていますし、じれもカフェインが入っているので、眠気の解消や集中力がアップするといった共通点もあります。
レッドブルとリポビタンDの大きな違い
リポビタンDの成分にタウリンが含まれていて、レッドブルにはアルギニンが含まれているという点です。タウリンは肝臓の働きを促進する効果があり、二日酔いにも効果が期待できるなど、高度経済成長期のよく働きよく遊ぶサラリーマンに適した成分です。
一方のレッドブルは、タウリンの代わりに疲労回復効果のあるアルギニンを入れています。アルギニンについては後ほど解説しますが、時代とともに栄養ドリンクに求められるものが変化しているのがわかって、かなり興味深いですよね。
レッドブルは、現代人に必要な成分を多く含んだ栄養ドリンクだと考えてください。
レッドブルはドリンクだけを販売する会社じゃない
レッドブルはドリンクを販売するだけでなく、さまざまなスポンサー活動を行っています。
アルプス山脈の雪の上をF1で走ってみたり…
日本でも行われましたが飛行機のレースをしてみたり…
成層圏から落ちてみたり。
とにかくさまざまな刺激を提供してくれる企業でもあります。
レッドブルの効果と持続時間
それではもう少し具体的に、レッドブルの作用や継続時間について解説していきます。
眠気にも効果がある
ここで先程の成分を思い出してみると、レッドブルには「カフェイン」が入っていますね。カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶、コーラなどにも入っていますが、栄養ドリンクはカフェイン含有量の多さが特徴のひとつとして挙げられます。
カフェインは脳に覚醒作用をもたらします。具体的には倦怠感や眠気の解消作用があり、頭を使う作業などの効率がアップします。そのため疲れを感じていても体が軽く感じたり、勉強などにも集中したりしやすくなります。
カフェインは摂取しすぎると効果が薄れてしまいますが、ここ1番というときに飲むようにすればきちんと眠気にも効果があります。
レッドブルの持続時間
レッドブルの効果が継続する時間には個人差がありますが、平均で摂取してから約30分で効きはじめ、4時間ほど作用を体感できます。完全に作用がなくなるには5~7時間ほどかかります。ただしカフェインに過敏に反応する体質の場合は、体感時間はもっと長くなることもあります。
夜遅くまで仕事をするために飲んで、いざ寝ようとしたら睡眠の妨げになって寝付けないなんてこともありますので、飲むタイミングには十分に気をつけてください。
テンションアップ作用
「レッドブル翼を授ける」と言いますが、レッドブルを飲むと体が軽く感じるため、スポーツをする前に飲む人もいるようです。基本的にカフェインには血管を収縮させる作用があり、スポーツをする上でマイナスに感じますが、気分が上がったり、やる気が出たりすることもあるので、パフォーマンスが向上することもあります。
特に瞬発力を求められるサッカーやバスケットボール、短距離走や筋トレなどの前にレッドブルを飲むことで成績が上がりやすいと言われています。
そのほかクラブなどで「気分を上げて踊りたいけど、車の運転などが控えていてお酒が飲めない」なんてときでも、レッドブルを飲むことでテンションを上げることができます。クラブにレッドブルが置いてある理由はその狙いがあるようです。
また、レッドブルをアルコールで割ることで、高いテンションを維持できるようになるため、好んで飲んでいる人もいます。
アルコールの目覚ましにも
目が覚めるカフェインの効果を利用して、アルコールによる眠気や酔いを覚ますという人もいます。
とはいっても、体内のアルコールの分解が促進されるわけではありません。レッドブルを飲んで目が冴えたからといっても、アルコールは約12時間体内に残りますので、そのまま車の運転をしたら飲酒運転になりますので気をつけましょう。
利尿作用
カフェインには利尿作用もあるため、レッドブルを飲むとトイレが近くなります。継続時間がそれなりに長いので、車の運転中に眠気覚ましに飲んで、渋滞にハマってしまうと少し困った状態になってしまいます。
この利尿作用はレッドブルを飲むときの数少ないデメリットのひとつになりますので、飲むタイミングだけは気をつけるようにしましょう。
滋養強壮
レッドブルに含まれるアルギニンは、男性の精力をアップさせる作用があると言われています。アレルギンに加えて、カフェインの作用もあるのでより強く滋養強壮の効果を感じることになります。
しかし本気で精力アップを考えるなら、レッドブルではなく、必要な成分が多く含まれている滋養強壮剤がおすすめです。ただ、レッドブルの方が手に入れやすく、飲んでいても人目を気にしなくていいのでTPOを考えて使い分けましょう。
レッドブルの成分
レッドブルの成分についてすでに簡単に説明しましたが、ここではさらに詳しく見ていきましょう。
レッドブルの成分
レッドブルのレギュラー缶の内容量は250mlです。
100mlあたりの成分
- 栄養成分(100mlあたり)
- カフェイン 30mg
- エネルギー 46kcal
- たんぱく質 0g
- 脂質 0g
- 炭水化物 10.7g
- ナトリウム 80mg
- アルギニン 120mg
- ナイアシン 3mg
- パントテン酸 2mg
- ビタミンB6 2mg
- ビタミンB2 0.09mg
- ビタミンB12 2μg
レッドブルは太るのか?
レッドブルを一度でも飲んだことのある人ならおわかりかと思いますが、とても甘くて太ってしまうのではないかと不安な気持ちになります。これはレッドブルに限らずほかのメーカーのエナジードリンクも同様ですが、どれくらいの高カロリーなのか気になりますよね。
100mlのレッドブルに含まれるカロリーは46kcalで、炭水化物量は10.7gとなっています。他の甘いドリンクと比べてみましょう。
コカ・コーラ | 45kcal/11.3g |
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ペプシ・コーラ | 48kcal/11.9g |
モンスターエナジー | 50kca/13g |
リポビタンD | 74kcal/18g |
このようにレッドブルのカロリーが特別高いというわけではありません。しかもコーラのように500mlも飲むわけではありませんので、摂取カロリーは思ったよりも抑えることができます。ただし、飲み過ぎには注意してください。
シュガーレスのレッドブルもあります
ダイエット中などでカロリーや炭水化物が気になる人は、シュガーフリーのレッドブルがおすすめです。味はスタンダードタイプより薄い感じがしますが、人によってはむしろ飲みやすく感じるかもしれません。炭酸を強く感じるため喉越しが好きという人もいます。
このためシュガーレスのレッドブルは、ダイエット目的の人だけでなく、スタンダードタイプの濃い味が苦手な人にもおすすめです。
レッドブルはカフェインだけではない
レッドブルやそのほかのエナジードリンクには当たり前のように入っているビタミンB群ですが、これも体に影響を与えます。まず体内のエネルギーの循環を促進する作用があり、やる気が湧いてきます。
レッドブルのキャッチコピーである「翼を授ける」につながる、体を軽く感じる現象もビタミンB群の影響によるものです。
例えばデスクワークや勉強をしているときに、「今日はなんだかやる気が出ない」と感じていても、レッドブルを飲むだけで作業がはかどったりします。スポーツをするときも同じで、ビタミンB群とカフェインの相乗作用によって、自分のポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
アルギニンの作用は?
レッドブルにはアルギニンが入っているとお伝えしましたが、アレルギンには下記のような作用があります。
- 疲労回復
- 成長ホルモンの促進
- 免疫力のアップ
疲れたときにレッドブルを飲むと力がみなぎったような感覚になるのは、アレルギンによる疲労回復作用が効いているためです。
とはいえ無理は禁物です。実際に回復しているのではなく、疲労していないかのような感覚にさせているだけですので、しっかりと休息を取らないと疲労が蓄積して体調の悪化に繋がります。常用するのではなく、目先のピンチを乗り切るのに使いましょう。
飲み過ぎると落ち着きがなくなることも
体を動かすスポーツをするときに飲むのなら問題ないと思いますが、デスクワーク系なら飲み過ぎに注意しなければいけません。
なぜならレッドブルの作用が効きすぎて、じっとしていられなくなったりするためです。ひどい場合は心臓がドキドキしたり、手が震えてきたり、体を動かしたくなってソワソワしてきたりするので、落ち着きがなくなって仕事どころじゃなくなります。
飲んでからだいたい30分後に作用を感じ始めるので、勢いよく飲むのではなく、少しずつ様子を見ながら飲むようにしましょう。
他のエナジードリンクとの比較
エナジードリンクにはレッドブル以外にも様々な種類があります。それらのエナジードリンクとレッドブルを比較してみましょう。
モンスターエナジー
栄養成分(100mlあたり)
- カフェイン 36mg
- エネルギー 50kcal
- 炭水化物 12.6g
- ナトリウム 78mg
- ビタミンB1 0.1mg
- ビタミンB2 0.7mg
- ビタミンB6 0.8mg
- ビタミンB12 1‐6ug
レッドブルに比べてカフェインが多く含まれています。さらに内容量が355mlもあり、トータルのカフェイン摂取量がかなり多いため、目覚まし作用を感じる人も多いエナジードリンクです。このため、徹夜で仕事をするときなどに適しています。
レッドブルと同じようなパイナップル系の味がするので、飲みやすいエナジードリンクでもあります。
ロックスター
栄養成分(100mlあたり)
- カフェイン 48mg
- エネルギー 58kcal
- 炭水化物 14.1g
- ナトリウム 24.1mg
- アルギニン 120mg
- ナイアシン 8mg
- ビタミンB2 1.44mg
カフェインが濃いことで有名なのがロックスターエナジードリンクです。内容量の多いモンスターエナジーかカフェインの濃いロックスターかで好みが分かれますが、モンスターエナジーに比べてロックスターを取り扱っているコンビニが少ないので、入手性が悪いというデメリットがあります。
このため、見つけたら試しに買ってみるのも良いかもしれません。ただし味はちょっとクセがあり、薬品のような風味が苦手に感じる人もいるかもしれません。この味が病みつきになる人もいますので、やはりまずは試してみるのが1番です。
コストパフォーマンスが良いのもあってロックスターを愛用している人も多く、根強いファンに支持されています。
ライジン
栄養成分(100mlあたり)
- カフェイン 27mg
- エネルギー 43.1kcal
- 炭水化物 10.6g
- ナイアシン 11mg
- イノシトール 27mg
- ナトリウム 21.1mg
- ビタミンB2 2mg
- ビタミンB6 2.2mg
ほかの商品に比べてカフェインが少ないというのが、ライジンの特徴です。他のエナジードリンクと違って生姜味がするので、ジンジャエールが好きだという人におすすめです。日本メーカーが作ったエナジードリンクですので、安心して飲めるというメリットもあります。
オロナミンC
栄養成分(100mlあたり)
- カフェイン 18mg
- エネルギー 79kcal
- 炭水化物 19g
- ナイアシン 12mg
- ナトリウム 1mg~3mg
- ビタミンB2 2.4mg
- ビタミンB6 6mg
- ビタミンC 220mg
元祖栄養ドリンクのオロナミンC。「元気ハツラツ=オロナミンC」というイメージが定着しており、累計で300億本以上を売り上げる大ベストセラーのエナジードリンクです。独特なスタイルの瓶とプルタブも昔から変わることがありません。
オロナミンCにおいては120mlあたりの成分となっていますが、カフェインは18mgと他のエナジードリンクよりも薄めですので、お子さんでも安心して飲めます。大人でもカフェインに過敏に反応する人なら、これくらいがちょうどいいかもしれません。
コーヒー
エナジードリンクではありませんが、カフェインといえばコーヒーですので、コーヒーのカフェイン量も見ておきましょう。
コーヒー1杯には40~180mgのカフェインが入っています。目を覚ますにはこれでも十分です。ただし、エナジードリンクにはそれ以外に様々な成分が入っていますので、コーヒーでは物足りないという人は、ぜひエナジードリンクをお試しください。