承認欲求が強い原因と満たす方法【承認欲求があることのメリット・デメリット】

褒められたい・認められたい・共感してほしい。なんだか満たされない気持ちになることって結構ありませんか?

「誰かに認めてほしい」という欲求を承認欲求といい、この欲求は誰しもが持っています。ですがそれを簡単に満たす方法は意外と知られていません。

この記事では、その満たされない承認欲求を満たすのに有効なたった一つの方法をご紹介します。

承認欲求とは?

承認欲求とは、読んで字のごとく承認されたい欲求のことで、社会生活を営んでいく上で誰しもが感じる「誰かから認められたい」と思う感情のことを言います。

英語では「esteem-needs」といい、「esteem」には「尊敬する、重んじる」という意味がありますので、承認欲求は「自分が社会的に認められることの証明や、自尊心を持てるきかっけになるような要因を求める欲求」であると言えます。

承認欲求は大雑把に言うと2つのタイプがある

  • 【他者承認】・・・他人から認められたいという欲求
  • 【自己承認】・・・自分の理想とする自分であると思いたいという欲求

1他者承認

例えば、あなたも同僚やクラスメートから「あの人はできる奴だ」と思われたくて勉強や仕事を頑張ったり、恋愛のシーンで恋人に「好きだよ」と言葉にしてほしいなと感じたことはありませんか?

あるいは、ブログやSNSに投稿したものがリツイートされていいね!をたくさん集めたときに嬉しくなったことがありませんか?

その時のあなたは他者による承認を求めていたいということです。

2自己承認

一方「私ならもっとできるはずなのにどうしてうまくいかないのだろう」とか「私はもっと自分自身を好きになりたい」と思う時は、あなたがあなた自身による承認を求めている時です。

これらすべては承認欲求を満たしたいと思う感情からくるものです。

ではなぜこの「認められたい」という気持ちは否応無しに湧いてくるのでしょうか。

承認欲求のメカニズム

承認欲求は、生まれた時から死ぬまで生きている間、ずっと持ち続ける欲求です。人間に根源的に仕組まれているシステムと言っても良いと思います。

ここで承認欲求のメカニズムについて紹介します。

承認欲求は悪ではない

周りから認められたいと頑張る人に対して、あまり良いイメージを持たない人もいるでしょう。しかし「承認欲求」を感じること自体は全く悪ではありません。

むしろ、承認欲求なくして人の成長はないと言ってもいいぐらい人間にとっては必要な感情です。

人間は進化していく過程で集団生活をするようになり、社交的であることや他人からよく思われることが一種の生存に欠かせない条件となりました。

優秀な遺伝子を残すため

それは文明が進んだ現代も同じで、誰かから評価されている人の方がそうでない人よりも自信に満ち溢れ、収入も高く人生が充実しているように見えます。

もしかしたら幸せになりたいという究極の目的を達成するために、「誰かに認められたい」という承認欲求を遺伝子に組み込むことによって、より良い遺伝子を後世に残そうとしたのかもしれません。

いずれにせよ、承認欲求はあなたの性格やこころの状態に関係なく、生まれた時からもともと備わっているものなのです。

マズローの五段階欲求説

心理学者のアブラハム・マズローは、人間の基本的な欲求を下から

  • 生理的欲求 (physiological need)
  • 安全の欲求 (safety need)
  • 所属と愛の欲求 (social need/love and belonging)
  • 承認の欲求 (esteem)
  • 自己実現の欲求 (self actualization)

5段階に分類しました。

それぞれは階段のようになっていて、下位の欲求をクリアしないと上位の欲求は出てこないと唱えました。

それぞれの欲求と概念
生理的欲求
(physiological need)
「食欲・睡眠欲・性欲」の3大欲求
安全の欲求
(safety need)
「自分の安全が脅かされない状態を望む」欲求
所属と愛の欲求
(social need/love and belonging)
「家族や仲間を求める」欲求
承認の欲求
(esteem)
「仲間から評価されたいと望む」欲求
自己実現の欲求
(self actualization)
「自分らしく楽しくいきたい」という欲求

生理的欲求はよく言われる「食欲・睡眠欲・性欲」の3大欲求が当てはまります。

安全の欲求は「自分の安全が脅かされない状態を望む」欲求です。雨風が凌げる家がほしい、食いっぱぐれ無い職業を求めるなどが当てはまります。

自分の生活が安定してくると今度はどこどこのグループに属したい、自分のことを大切してくれるコミュニティーにいたい、という仲間を求める所属と愛の欲求が出てきます。

それが職場の場合もあるし、趣味やサークルである場合もありますし、家族である場合もあり、人によってそれぞれです。

自分に仲間ができれば、今度はその仲間から評価されたいと望む承認の欲求が湧いてきます。

そうして承認欲求が満たされれば、自分に自信がつき「自分らしく楽しくいきたい」という自己実現の欲求へと変化していきます。

中でも承認の欲求は、自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求です。

マズローはこの承認の欲求には二つのレベルがあると説明してる

マズローは、承認の欲求には低いレベルと高レベルの2つがあると説いています。

低いレベルの承認欲求は、他者からの尊敬や評価を得ることや、富や名声・権利を持つこと、注目を浴びることなどのいわゆる他者承認によって満たすことができます。

高いレベルの承認欲求は、自己肯定感・自己信頼感、スキルの向上・能力の獲得、自立性などのいわゆる自己承認で満たすことができるとしています。

メリデメ編集部
つまり「他人からの評価よりも自分自身への評価の方が、承認欲求を満たすインパクトが大きいよ」、ということを主張しているのです。

承認欲求があるメリット

マズローは承認の欲求には二つのレベルがあると説いていましたが、その欲求を満たすことで生活がどのように変わるのか、そのメリットについて紹介していきます。

メリット
  • 自己肯定感が上がる
  • 認められることでモチベーションが上がる
  • 仕事の質が上がる
  • 収入が上がる

それぞれについて説明していきます。

自己肯定感が上がる

他者や自分自身て自分を認めてもらうことで自己肯定感が上がり、自分で自分の存在価値があることを再認識できるため、そのことがエネルギーとなり一日の始まりを気持ち良いもとのとしてくれます。

よく「朝起きられない」「だるい」「仕事に行きたくない」といった人は、自己肯定感が低い可能性があります。承認欲求を持つことは、毎日のエネルギーの糧となる自己肯定感を高めるためでもあるのです。

認められることでモチベーションが上がる

自己肯定感が上がると、どんなことに対してもプラス思考になります。

さらに、他人から認められることでモチベーションが上がり、何か新しいことを始めたいと考えたり、ときには苦手なことも再度挑戦してみようと思う方もいいでしょう。

仕事の質が上がる

自己肯定感やモチベーションが低い人は、最初から諦めて作業に取り掛かかる傾向にあるため、「残業をしないと仕事を終わらせられない人」となり、自分にとっても会社にとってもマイナスな人になります。

しかし、人は自己肯定感とモチベーションが上がるとやる気がどんどん溢れ作業効率が上がり、結果的に、NO残業で仕事をしっかりこなす人へとなれるのです。

収入が上がる

仕事の質があがることでさらに周りに認められ、学校では生徒会長に、会社では役職に昇格など、地位に関しても変化が現れます。

特に昇格することで収入が増えることになるので、より豊かな生活を送ることができるのです。

承認欲求があるデメリット

どんな欲求にもありすぎたりなさすぎたりすると、何かと私生活にも影響がでるものです。

ここでは承認欲求のデメリットについて紹介していきます。

デメリット
  • 落ちやすい
  • 友達ができない
  • プライドが高い人に見られる
  • 頼み事を断れない

それぞれについて説明していきます。

落ちやすい

承認欲求のデメリットは、誰かに承認され続けないとどんどん落ちていっていしまうことです。

また、認められたと思った途端、少し注意されたり否定されたりすると上がっていた自己肯定感とモチベーションは誰でも下がっていってしまうものですが、ここで「見返してやろうと思う人」と、「そのまま落ちていく人」かは性格によって
変わってくるでしょう。

しかし承認欲求を満たす方法は、他者からの承認ではなく自身で繰り返し自分を褒めることで回避できます。

マズローも行っていたとおり、他人からの評価よりも自分自身への評価の方が承認欲求を満たすレベルは高いと言っているので、まずは自分を褒めることを心がけてみましょう。

友達ができない

承認欲求は誰にでもあるので、「自慢話」をたまに話してしまうこともあるはずです。

しかし、この承認欲求が強すぎると自慢話が増え、結果的に聞いている側の人は疲れてきてしまうため、なかなか友達ができないといったことに繋がりかねません。

自慢話や武勇伝は程々にしておきましょう。

プライドが高い人に見られる

プライドが高すぎてしまうと、自分に承認欲求があることをきちんと認められず、「人から認めてほしい自分」のことを受け入れられなくなってしまいます。

自分は完璧な人間で人格者である、と思わなければ気が済まないので本当の自分を見ることが出来なくなってしまいます。

そうなると承認欲求から解放されるどころか、他人からはずいぶん傲慢で高飛車な人間に見えるはずですし、見栄を張って気付かずに無意識に他人に嘘をついてしまいます。

それが人間関係を悪化させていくことは言うまでもありません。

頼み事を断れない

承認欲求は、周りに認められたい欲求なので、「頼まれごとを断れない」人になりがちです。いわゆる八方美人です。

しかし、「頼まれごとを断らない」ことイコール「認められる」ことにはなりません。

また、なんでも頼まれごとを受け入れていると自分自身を追い込んでしまい、精神的に危険な状態を作りかねませんので注意が必要です。

ただの「都合のいい人」にならないように、時には「強い意志」をもって断るようにしましょう。

承認欲求はどちらかというと満たしてあげた方がいい

ここまで述べてきたように、認められたい・褒められたい・いっぱし扱いされたいといった社会的欲求は、人間の進化の過程で自然に具わったもので、ほとんどの人間にそなわっている感情です。

承認欲求は人間に必要な欲求

時々ネット上などでは、承認欲求を否定するような発言や主張を見かけることがあります。

しかし、それは人が「食べたい・寝たい」という欲求を持っていることを否定するようなものです。

承認欲求を抑えるとどうなるか

承認欲求が妨害されると、劣等感、弱さ、無力感などの感情を引き起こすことになり、重症化すると神経症や心の病気を患ってしまう原因にもなってしまいます。

「臭いものに蓋をする」ように自分の承認欲求を見て見ぬ振りをし続けてしまうと、年齢に応じたアイデンティティの確立が遅れてしまい、人生の障害となってしまうこともあるのです。

あなたの感じている「認められたい・尊敬されたい」という承認欲求を満たしてあげることは、自分に自信がつき、社会の中での自分の有用性を感じ、世の中に貢献するための原動力になるものです。

さきほどもお伝えしたとおりモチベーションとしても、承認欲求は欠かすことができません。

現代のように会社や組織への所属欲求をモチベーションにしにくい時代では、「認められたい・尊敬されたい」というモチベーションは、スキルアップやライバルとの切磋琢磨に欠かせないエンジンとなりやすいのです。

ですから自分に承認欲求があることを認めて、それを満たしてあげることはとても大事なことなのです。

承認欲求が強くなった3つの理由

承認欲求は、人間特有の欲求ですが時代とともに人間関係も変化してきているため、変化が伴う欲求の一つとも言えます。その変化について説明していきます。

時代背景

少し前の時代までは「所属と愛の欲求」が大きなモチベーションとなっていました。

ネームバリューのある大学に進学すること、上場企業に就職し昇進し良い給料をもらうことが、「ステータス」すなわち他者からの承認を得るのには最も分かりやすい指標になっていました。

ですが、インターネットの登場によって多くの人が情報に触れられるようになると、企業や組織の不正が暴かれて力が弱まる一方で、個人として活躍する人が現れるようになり、人を評価するときに「肩書き」や「地位」に重要視しなくなりました。

その代わり重要視するようになったのが「その人自身」です。

それは能力や才能だけではなく、その人のあり方や考え方、礼儀を重んじているかなどの人間性の部分が評価されるようになったのです。

そういう人は、年齢性別に関係なく既存のコミュニティーを飛び出して活躍されていますよね。それを見た私たちは、今まで信じてきた「肩書き」や「地位」などのステータスを得ることでは承認が得られないと気づいてしまったので、他のものでどうにか承認の欲求を満たそうと必死になっているのです。

SNSの隆盛

時代が進むにつれ、今やスマホ時代ですよね。承認欲求のはけ口になったのがSNSでした。

いつでもスマホを開き、日常を開示する形式の多いSNSは、共通の趣味でつながったコミュニティーの中に、自分と同じ考えを持った人がいる、悩みに共感してくれる人がいる、自分の事を誰もが認めてくれる簡単なツールとして流行りました。

いいね!や評価に依存していまう時代

今では自由に書き込みができるTwitterなど,匿名性の高いSNSが流行りました。ですが、それがある程度落ち着くと、Facebookという実名でのアカウント登録が必要なSNSが登場してきました。

不特定多数の物から、今度は誰が書きこんでいるのかわかるため、「いいね!」といった承認が得られるものに固執してしまう問題がでました。

個人の発言はいいね!やシェアで拡散され、コメントが多くつくことによってインターネット上では、影響力が評価されるといった、現実ではありえない評価に依存していき承認欲求を得るために振り回されることになるのです。

結果的にSNSをやめてしまう人が増加

しかし、不特定多数の人を平等に相手をすることは非常に困難で、時には気が合わなかったとか、発信した内容が気に入られなかったりすることで、フォローを外されたりブロックされたりという、ネット上の好ましくない関係で疲れ果ててしまうこともあるようです。

案外気を遣わなくてはいけないSNSに嫌気がさしてしまい、SNSを始める一方で、やめる方も増加傾向にあります。SNSは様々な自分を認めてもらう簡単なツールではありますが、依存してしまわぬように注意しましょう。

幼少期の家族関係

時代背景の他にも、承認欲求が強い人が増えた原因は幼少期の家庭環境が影響していると言われています。

例えば以下の年代でこういったことがあります。

0歳〜2歳

一般的には、生まれたての赤ん坊や子どもは笑ったり、立って歩いたり、排泄をしたりするだけでも「よくできました」と承認され、褒められます。この時期の幼児には出来ること自体が少ないため、その数少ない出来ることを実行できると、たいてい褒められます。この時期の体験が、承認欲求をモチベーション源にしていくための土壌を作っています。

3歳〜小学生

そうして3歳を超えて小学生になるくらいまで、できることが大幅に広がることによって、やってはいけないことを叱られたり、できないことにチャレンジして失敗するような経験をするようになります。

ですがそれでもまだ、今まで出来なかったことが出来るようになるたびに、多くの親や先生は褒めてくれますし、多少の出しゃばりなら大目にみてもらえます。

そうやって自分のできなかったことが出来るようになると褒めてもらえるというプログラムを獲得できるようになるのです。

共働きの両親が増加

ですが、この時期に承認欲求を満たされてこなかった、つまり親や保育者の承認を受けてこなかった人は、自分がやりたい事をやって承認欲求を充たすというプログラムを持ちません。

そのような子どもは、褒めてもらいたい気持ちや認められたい気持ちに鍵をかけてしまいます。

両親が共働きが当たり前になった現代では、その親の承認を受けて育てられなかった子どもたちが増えてきているのです。

そして、そのまま成長して行ってしまうと、承認欲求をモチベーション源として行動することがうまくできずに、承認欲求を抑えきれずになんでもかんでも認められたいと思ってしまう、承認欲求の強すぎる大人になってしまうことがあるのです。

承認欲求を満たす方法

承認欲求を満たすということは、実は非常に難しいことで永遠の課題かもしれません。このような混沌とした時代には、心の不満が根底に溜まりやすく、他者を承認しようという気持ちがなかなか起こらないことがあります。

特に年齢を重ねると、承認されることは少なくむしろ非難される方が多いでしょう。

しかし、承認欲求はマズローも提言しているように、富や名誉などといった他者からの注目だけを承認としてしまうのはとても幼稚なことなのです。

どれだけ評価をもらったとしても、自分自身が自分を承認できなければ、心は何となく物足りない物悲しさで溢れてしまいます。

自己承認は、一見調子に乗っていると思われる場合もありますが、何でも良いので、自分を励ましここまで頑張ったと認めて癒して上げることが自己承認になります。

メリデメ編集部
自分はまだまだだめだと思っても、そこで「今はここまでで充分頑張った!」といったん認めてあげることです。人が笑ってしまうような事でも、自分の中で頑張れたと思えることを拾い上げて、認めることを積み上げていれば、自己承認力がついていきます。

他にも、自己承認に効果的な方法は以下のようにいくつかあります。

  • ピグマリオン効果
  • ラべリング効果

それぞれについて詳しく解説していきます。

ピグマリオン効果

ピグマリオン効果と言う言葉をご存知でしょうか?これはアメリカの教育心理学者、ローゼンタールが発表した心理学用語として有名で、子育て論にも良く登場する言葉ですね。

これは、同じ環境で過ごしていても人は期待された通りの成果を出すという傾向があるというもので、例えば同じようなレベルの生徒を集めてクラス分けを行い、どちらか一方のクラスは常に褒め続けてモチベーションを上げていきます。一方他のクラスは、叱咤を続けて教えていきます。

常に褒め続けたクラスでは、明らかに成績優秀な子が増えていくというもので、嘘のない褒め言葉は相手を思った以上に成長させるというものです。これも一種の自己承認になります。

ラべリングする事で人の向かい方が決まる!

ラべリング効果というのはご存知ですか?これは文字通り、その人にラベルを貼ってしまうというもので、「あなたは○○タイプ」と一言でまとめてしまうものを言います。

ラべリングされた人は不思議と、そのような人になってしまうというある種心理の奥をつくような方法です。

これも一種の自己承認になります。もちろん自己承認にするには良いことを言わなくてはいけません。

良くあるのがコーチ論でも、このラべリング効果を利用して選手を育成していくそうです。ラべリングする事で、人の向かい方が良くも悪くもなるなら、やはり自己承認ができるような声かけを選びますよね。

自己承認を身近なところから見つけてみよう

他者から承認してもらうという事は、結果を見て評価されるために、そこを追い求めて頑張りすぎて振り回されることになります。

そして結果だけを重視していると、自分がかなわない事だととたんに評価が下がり、他者からの評価が低くなってしまいます。

しかし、自己評価なら、自分自身の中で結果に到達するまでの過程までも認めてあげることができます。いわゆる自己満足です。

他からの承認ではなく自分自身の満足度だけを追求することで、例え他人から評価を得られなくても、自己承認力がついていれば慌てふためくことはないのです。

近所や自身の子供を褒めるように自分を評価する

小学校でかけっこをした時のことを思い出してみてください。

足の速い子や運動のできる子は、良い順位に入賞し評価されますが、足の遅い子や運動が苦手な子は評価されません。それは結果で評価されているからです。

ですが、足の遅い子や運動が苦手な子にとっては、タイムこそ遅いものの、苦手なことを最後までやりきったという視点で見ると、そのプロセスは得意なことをやりきった人よりも評価に値します。

出来て当たり前をよく頑張ったと褒める

子どもの時は親や教育者が優秀であれば、結果だけなくプロセスも承認してくれることもありますが、社会に出ると求められるのは結果であることがほとんどですので、プロセスを承認されることが非常に少なくなります。なぜなら「出来て当たり前」だからです。

仕事を頑張って当たり前、 女子力を高めて当たり前、文句を言わずに我慢できるのが当たり前なのです。ですから、それを当たり前のことをしただけでは他者からの承認を得られることはとても難しいでしょう。

ですが、自己承認が出来ていると当たり前のことでも承認することができて、心が平穏になっていきます。誰がしてもできるような当たり前のことができたとしても、自分自身が普段苦手にしていたことなら、出来ることで頑張ったといえるでしょう。

朝起きたら自分を褒める

また、毎朝同じ時間に起きれることも、当たり前のことですが、できない人もいると思えばこれも承認して良くできたと自分自身をほめてあげましょう。

また、対人関係でトラブルが続いたときなどは、不満を言いそうになる所ですが、お腹の中で不満をとどめておいたということだって、よくやったという出来事になるのです。

一つ一つどれを承認するかはあなたが好きに選べばよいのです。そして、頑張ったと自己承認することで、他者からもらう承認よりも高いレベルでの承認欲求を満たしてあげられる可能性を秘めているのです。

自己承認はプロセスを承認する

「結果が出てないのに自分を褒めるなんて抵抗があるな」と感じたとしたら、あなたはまだプロセスを承認するのが苦手なのかもしれません。

そういう場合は本当に些細なことで良いので自己承認してみてください。そうして自己承認するときは「〇〇した私すごい!」とできれば声に出して脳にしっかり聞かせてあげてほしいのです。

周りの人を巻き込んで自己承認する

毎日家事を頑張っていたとしても、大抵の主婦の方は凄いとは言ってもらえないと思います。それを自分で認めてあげるのです。

例えば、「いつもは、掃除がきちんとできていなかったけれど、今日は目標のところまでできた!自分ってすごい!」とか「今日も夕飯をきちんと作れて、家族が喜んでくれている。すごい!」とか、相手が喜ぶことも想定して自己承認をしていくと、自分だけでなく他者の行動までもが幸せにつながり気持ちが楽になっていきます。

他人をも巻き込む痛恨の失敗は、挽回できないほど落ち込むことになりますが、落ち込むことをさらにプラスに変えて、「次は同じ過ちを犯さない!これに気付けた自分って本当にすごい!」と自己承認を行うのです。

自己暗示をかける

何も人に言うわけではありませんから、内容は単純なものほど自己承認力を上げる効果があります。これを心理学の世界ではアファメーションと言います。

アファメーションとは
アファメーションとは、肯定的に自分のことを宣言することで、無意識に作ってしまっているネガティブな思い込みをポジティブな思い込みに上書きするようなイメージです。

私たちの脳はとっても騙されやすいので、「私すごい」と何度も言い続けていれば「私すごい」と無意識に思うようにできており、これは他人の言葉よりも、自分の言葉(心の声もこれに該当します)の方が威力が強いと言われています。

ですから、痛恨の失敗を行った時でも、「失敗した原因は何だったんだろう」「この失敗があったからこそ、次に失敗することがなくなるからよかった」などマイナスの事をプラス思考に変えていくのです。

自分で思うだけですから、理由はどんな事でも構いません。とにかくダメな自分に気持ちが向かわないように、常に自己承認をしていくのです。

そうすることで、落ち込みは少なく、確固とした自信がわき他からの承認が得られなくても気持ちが揺らぐことがありません。

「そんなことをしてナルシストにならないか?」って思われる方もいらっしゃるでしょうが安心してください。心配しなくても誰かがしかるべきタイミングであなたを叱ってくれます。

メリデメ編集部
ノーベル物理学者アルバート・アインシュタインもこう言っています。「どうして自分を責めるんですか?他人がちゃんと必要な時に責めてくれるんだからいいじゃないですか。

自己承認を上げていくコツをシーン別で紹介

自己承認ができるようになってきたら、他の人たちとの関わりの中では、具体的にはどのように自己承認ができるのかを見ていきたいと思いますが、その前に承認欲求を満たすためにとっても大事な考え方である「承認欲求お返しの法則」という原則について解説します。

承認欲求お返しの法則
「承認欲求お返しの法則」とは簡単に言うと、他人のことをよく褒める人は、他人から褒められやすいということです。

つまり承認欲求は「してもらうこと」よりも「してあげる」ことの方が近道になり、承認上手な人ほど周囲からよく認められるのです。

他人を心から好きになれる人は、それだけ相手を承認するのが上手な人なので、「承認のお返し」がもらえる確率も高く、お互いを承認しあうような関係も作りやすいのです。

逆に他人をなかなか好きになれなかったり、すぐに嫌悪したり見下したりしてしまう人はお互いを承認しあうような関係を作るのは非常に難しいでしょう。

メリデメ編集部
「承認欲求お返しの法則」は、狙おうと思ってできるものではないので、本当に心から承認できることでないと相手には伝わりません。承認した相手から、承認し返されるというよりも、それがめぐりめぐって自分のところに帰ってくるイメージで、積極的に周りの人に承認をしてあげてください。

恋愛における自己承認

恋愛における自己承認は、どういったシーンで有効になるのでしょうか?

もし今貴方が、「こころを寄せる相手ができない。」とか「付き合う人はみんな依存してきて辛い」「恋人ができたけど、何となく一緒にいても寂しい」と感じているなら、それは承認欲求が満たされていません。

承認欲求が満たされてないと、恋愛はうまく続かない事が多いでしょう。ダメな自分を認めてくれる人を求めていても、実際に自分がダメな人を心底好きになるかと言うと大抵はダメな人とは仲良くなりたくないものです。

承認欲求が低いことは恋愛対象にも影響する

しかし、自己承認がうまくできていない方だと、好きだと言われただけで誰でもよくなってしまいます。それはすなわちダメな自分を好きだと言ってくれた他者の承認なのです。

自分の気持ちよりも、他者の承認を得たいがために、好きでもない人と付き合って、「こんなはずじゃなかった…」と思っても、それは他者に任せてしまった人生になっているので仕方がないのです。

ですから本当に愛しあえる人に出会いたいなら自己承認を高く持つことが大切です。

自分の長所を見つけてあげる

小さなことでもかまわないので、自分の良い点を認めてあげましょう。

例えば「女優さんのような顔なら、あの素敵な人と付き合えるだろうにな」といった願望でも、自己承認することで自分のよい面に自信がでてきて、決して見た目だけではなく他で勝負できることを探し自信を持つことが大切です。

ひるむことのない自己承認は、プラス思考になり、表情も生き生きしていきます。笑顔が素敵な方は、きっと自己承認が高い人かもしれません。

自己承認を繰り返す

少しでも恋人に優しくできた時は、「積極的に自分から人に喜んでもらえることができた。自分ってすごい!」と少々ひいき気味に自己承認するのです。他人に言うわけではないのでどんなに小さなことでも自己承認を繰り返します。

素敵な異性を射止めたい時にも、自己承認を続けましょう。自分が素敵だと思う部分を、自分でしっかり認めてあげることから自己承認がはじまります。

めでたく好きな相手に気持ちが伝わったなら、「自己承認をお返し」することに専念しましょう。

貴方が引き寄せた素敵な人は既に自己承認がしっかりできている方かもしれませんが、多くの方は自己承認が低い傾向にありますからどんどん承認してあげましょう。

モテる人の自己承認方法

いわゆる「モテる人」は、自分自身が褒められる達人であるよりも前に、他人の良さをたくさん見つけてそれを承認できる達人であると思います。

承認ってどんな風にするの?と疑問に思った方は、次のようなことを実践してみてください。

相手が何かをしてくれたら、まずは心からの「ありがとう」を必ず言葉にして伝えます。

それでもちょっと物足りない場合は「大事に思ってくれているんだと感じて、すごく嬉しかった」など、感情が入った気持ちを伝えることで、より相手の気持ちが承認されるでしょう。

「気を遣ってくれた」結果を承認するだけではなく、その行為に至った相手の気持ち、つまりプロセスを承認することによって、相手の承認欲求がとても満たされます。

そうして自分の自尊心や自己肯定感を高めてくれる人に対しては、無条件で好意を感じてしまうため、その人は周囲から「モテる人」となるです。

職場における自己承認力は?

職場においては、先程からも触れているように自己承認力がある人とそうでない人とで、モチベーションの持ち方がかなり違ってきます。

仕事も家事も、できて当たり前の世界です。そこで認めてもらおうとすると、なかなか自分の思った通りの評価は得られないでしょう。

ここでも意識しておきたいのが、自己承認することです。

失敗は自己承認のチャンス

例えば自分は重要なポストではなくとも、自分に与えられた仕事を常にきっちりこなして万全にしていれば、周りから責められこともないため落ち込むこともないでしょう。

しかし、人間ですので失敗する時もあれば体調の悪い時もあります。いつも同じように完全な状態では進みません。

そんな時は、失敗を見るのではなく、「これだけのトラブルを上手く回避できた!自分はえらい」と過程(プロセス)をみて自己承認を行うのです。

仕事が思いのほか進まず、途中で終わった場合にも、経過は苦しいでしょうが出来上がった時に「途中で投げ出さず、困難を乗り越えてえらい!」などと、しっかり自分を癒してあげることが大切です。

こういった自己承認がしっかりされていると、自分の中の「ダメ人間度」という評価がかなり下がっていき、他人から承認されなくとも、満足した生活が送れるのです。心も平穏になり嫉妬することも無くなるでしょう。

自己承認のお返しを忘れない

またしっかり自己承認ができるようになったら、自己承認お返しをしましょう。これは、他の仕事仲間のことを承認することです。

上司でも部下でも、同僚でも構いません。あなたが当たり前の仕事をこなしているように、他の人だって当たり前をこなしています。

そのお蔭で自分の仕事もはかどったのかもしれませんよね。そういう時こそ、「〇〇さん、いつもありがとう。お陰でとても助かっているわ。」と相手の当たり前を承認してあげてください。

お礼を言われて嫌な気分になる人は、いないので喜んでもらえ、笑顔が溢れる職場になれます。

友人関係においての自己承認

承認欲求お返しの法則は仕事や恋愛だけでなく、友人や家族との関係を築く時にも非常に有効な手段となりえます。

親友は自己承認の大切な存在

例えば、いつもショッピングやカフェ巡りに付き合ってくれる友人に対して、「いつも〇〇が私の話を聞いてくれるから、一人で抱え込まずに済んで助かっているよ」ということをきちんと言葉にして伝えられていれば、その友人の承認欲求が満たされて「もっと役に立ちたい」と思ってあなたとの時間を優先的に取ってくれるでしょう。

そうしたらあなたは「なんでも自分の話を聞いてくれる大切な友人がいる私ってすごいわ」と自己承認につながるような気づきが得られるかもしれません。

また、こういった大切な存在に気づいていない人もいます。もう一度周りの人間関係を見てみましょう。

家族や身近な人に関する自己承認

家族に対しても同じことが言えます。家族こそこの自己承認がとても大事になってきます。

身内だからと言って甘えていては、家族や親戚の仲もぎくしゃくしてしまうのは当たり前のことでしょう。

例えばあなたが旦那さんに対して仕事をしてきて当たり前と思っていると、旦那さんもあなたが家事や育児をして当たり前だと思ってしまいます。

逆にあなたが「いつも仕事を頑張ってくれてありがとう。おかげで私たちが生活ができていているのよ」というように相手をきちんと承認していれば、旦那さんも「俺の方こそ、いつも家事や子育てを頑張ってくれていてとても助かっているよ。」とあなたの頑張りを認めてくれるような言葉をかけてくれるでしょう。

相手への感謝が無く、されて当たり前だと思っていると、相手も同じような態度になり、気づいたらお互いが不満だらけになってしまいます。

不満を残したままにするより、家族の間でもたった一言の「ありがとう」をちゃんと言葉にして伝えるようにしたいですね。

育児の中の自己承認

先程、承認欲求は人間の成長においてかかせないものであり、それは幼少期の家族との過ごし方によって培われるというお話をしました。

自身のお子さんに対しても、テストの結果やクラブの成績を見るのではなく、その勉強や努力の過程、つまりあなたが自己承認の過程でも行ったように、結果だけでなく「できたこと」への承認をお子さんにしてあげてください。

お子さんは承認欲求が満たされるので、お母さんに対しても「ご飯を作ってくれてありがとう。洗濯してくれてありがとう。」という気持ちで返したくなるのです。

特に子どもは親の背中を見ますので、お子さんに自信を持ってもらいたいと思っていたとしたら、あなた自身が自己承認をしているところを見せてあげるようにしましょう。

それを見た子どもは「できなかったこと」ではなくて「できたこと」へのフォーカスが働くので自己肯定感の強い人間に育ち、遅かれ早かれ何かの分野で優秀な成績を残すはずです。

そんな時にはやっぱり「この天才を育てた私、やっぱりすごいわ」と自己承認ができるのです。ですが、承認欲求を満たすために、子供に過度な期待やストレスを与え過ぎないように注意しましょう。

承認欲求は自己承認を繰り返すことで満たされる

このように自己承認によって、自分の承認欲求を満たしてあげることは、ひいては周りの人の承認欲求すら満たすことにつながる可能性を持っているのです。

大企業などの大きな組織への信用が薄れ、個人が活躍するようになり、それを加速させるようにSNSが発達して誰もが発信をできるようになった時代になったことで、確かに多くの人との交流ができるようになりました。

ですが、いいね!やコメントを求めるあまり、それ自体が承認欲求が強くなりすぎてしまう原因になっているのも事実です。

ですが、あなたがどんなに魅力的なコンテンツを世の中に届けようと、他者からの承認だけではあなたの承認欲求が満たされることはありません。

あなたがまず、あなた自身を思いっきり遠慮なく承認してあげてください。

あなたが自信に満ち溢れた人になれば、周りの人の承認欲求も満たせてあげることができるでしょう。そうするとあなたの周りには魅力的な人が集まります。

それによってあなたの承認欲求はもっと満たされるので、自己実現という「あなたが本当になりたいあなた」に近づくための大きな原動力になってくれるはずです。

千里の道も一歩から。本当に小さな自己承認で構いません。まずはこの記事を飽きずに最後まで読み終えた自分に対して言ってあげてください。

「最後まで読んだ私すごい」と。そうしてあなたが思って実践してくれたことが私にとって何よりの承認につながります。この記事が一人でも多くの人の承認欲求が満たされるきっかけになれば嬉しいです。

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