スマートフォンが日常生活の一部となった現代、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は欠かせないコミュニケーションツールとなっています。
特に10代〜20代の若者にとっては、SNSが人間関係や情報収集の中心になっていると言っても過言ではありません。
しかしその一方で、**「SNS疲れ」「デジタル疲れ」と呼ばれる心身への影響も広がりつつあります。
本記事では、「SNS利用のメリット・デメリット|若者に広がる“デジタル疲れ”とは?」**をテーマに、SNSとの上手な付き合い方を考えます。
■ SNS利用のメリット
◎ ① 人とつながりやすくなる
SNSは、距離や時間を超えて人と交流できるツールです。
- 友人との近況報告や連絡が手軽にできる
- 共通の趣味や価値観を持つ人と出会える
- 世界中の人とつながるチャンスが広がる
✅ 人間関係の広がりや、孤独感の軽減につながる可能性もあります。
◎ ② 情報収集がスピーディー
- 最新のニュースやトレンドにリアルタイムでアクセス
- 専門家や有名人の意見・知見に触れられる
- 自分の興味関心に合わせて情報をカスタマイズ可能
✅ 今やGoogle検索よりも、**SNSで調べる「タグ検索世代」**が主流に。
◎ ③ 自己表現の場として活用できる
- 写真・動画・文章・イラストなど、自分の作品や考えを発信できる
- 「いいね」やコメントで他者からの承認を得られる
- SNSから副業や仕事のチャンスにつながる例も多数
■ SNS利用のデメリット
✖ ① 情報過多による疲労感
- 大量の投稿・通知により脳が常に刺激を受ける状態に
- 見たくないニュースやネガティブな話題に触れる機会も増える
- 情報の取捨選択が難しく、“疲れる”要因に
✖ ② 他人との比較による自己否定
- 幸せそうな投稿を見て、「自分は劣っている」と感じる
- 加工された写真や“キラキラした生活”にプレッシャーを感じる
- SNS上の自分と本当の自分の間にギャップが生まれる
✅ 心理学ではこれを**「SNS嫉妬(Social Comparison)」**と呼びます。
✖ ③ 時間の浪費・依存症リスク
- 「ちょっと見るつもり」が気づけば1時間以上スクロールしていた
- 勉強や仕事への集中力が削がれる
- スマホがないと不安になる**“ノモフォビア(No Mobile Phone Phobia)”**という状態も
✖ ④ 誹謗中傷や炎上のリスク
- 匿名性が高いSNSでは攻撃的なコメントやデマが流れやすい
- 投稿が思わぬ形で拡散されて**“バズ”ではなく“炎上”になることも**
■ 若者に広がる“デジタル疲れ”とは?
「SNSを見るだけで疲れる」「見たいけど見たくない」——そんな声が増えています。
これが、**“デジタル疲れ”**と呼ばれる現象です。
主な症状:
- 常に通知を気にしてしまう
- スクロール後に疲労感や自己嫌悪を感じる
- SNSを閉じた後、なぜか気分が落ち込む
- 誰かの投稿を見て、焦りや孤独を感じる
✅ 多くの若者が、「SNSを見ないと不安。でも、見ていてもしんどい」というジレンマに陥っています。
■ SNSと上手に付き合うためのヒント
● 1. 利用時間を決める
– 1日◯分とルール化
– スクリーンタイム機能を活用し、自分の使用傾向を可視化
● 2. 「ミュート」や「非表示」機能を使う
– 疲れるアカウントは無理に見ない選択を
– 自分の気分に合った情報だけを取り入れる工夫を
● 3. SNSを「発信ツール」として使う
– 「見る」よりも「書く・作る」に重心を置く
– 自分の好きなことをアウトプットすることで自己肯定感が上がる
● 4. デジタルデトックスを定期的に行う
– SNSを完全にオフにする日を作る
– スマホから離れる時間を意識的に持つ(散歩・読書・対面の会話など)
■ 筆者の視点:SNSは“道具”であり、“居場所”ではない
SNSは、便利で楽しい反面、“自分を見失う場所”にもなり得る二面性を持っています。
だからこそ大切なのは、**「自分が主導権を握って使うこと」**です。
誰かの“いいね”ではなく、自分の“いいね”で動くこと。
画面の中ではなく、現実の時間に心を戻すこと。
それができたとき、SNSは「疲れる場所」ではなく、「つながりの道具」として、真価を発揮してくれるはずです。